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耳を大切にする人のカスタムイヤモニ、米64 AUDIO「ADEL A-Series」の仕組みポタフェスで聴ける

» 2015年12月18日 13時12分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ミックスウェーブは12月18日、米64 AUDIOの新製品「ADEL A-Series」4機種を発表した。バランスド・アーマチュア型ドライバーを6〜12基搭載する4モデルをラインアップ。12月19日から受注を開始する。

「A12」は12基のBAドライバーを搭載した3Wayモデルだ

 「ADEL A-Series」は、使用者の聴覚障害リスクを最小限に抑えるというADEL(Ambrose Diaphonic Ear Lens)技術を採用しているのが特徴。シェルには、3つの音導管のほかに4つめの穴があり、ここに円筒形の「ADELモジュール」を装着している。ADELモジュールにはリスニングの中で人間の鼓膜にかかる有害な音圧を外に逃がすフィルターが搭載されており、鼓膜が受ける空気圧を軽減。音導管をふさがず、イヤモニ本来のサウンドレンジを損なわない点もメリットだ。

 「通常、イヤモニは密閉されているので直に鼓膜へ空気圧がかかるが、それを外に逃がすのがADELテクノロジー。フィルターは非常に薄い“膜”だが、音漏れはせず、圧だけ逃がすことができる」(ミックスウェーブ)。

ADELモジュールは脱着可能。汎用的な特性を持つ「Autoモジュール」のほか、調整が可能な「Manualモジュール」が用意される

 ADELテクノロジーを開発したStephen Ambrose氏は、このフィルター技術を「第二の鼓膜」と呼んでいる。1965年に最初のワイヤレスIEM技術を開発し、スティービー・ワンダーやサイモン&ガーファンクル、ダイアナ・ロスといった多くの著名ミュージシャンにカスタムIEM技術を提供してきた同氏は、パーソナルなリスニングデバイスが市場にあふれたことをきっかけに一般リスナーの難聴リスクが77%も増加したことを懸念。全米科学財団と国立衛生研究所からの助成金によりADELテクノロジーを発明した。現在はAsius Technologies LCCを設立し、主任研究員として活躍しながら「第二の鼓膜」普及に務めている。

調整可能な「Manualモジュール」も登場

 ADELモジュールには、汎用的な特性を持つ「Autoモジュール」のほか、調整が可能な「Manualモジュール」があり、ユーザーの好みで交換できる。Aシリーズには標準で「Autoモジュール」が付属するが、ミックスウェーブでは2016年1月頃をメドにオプションとして「Manualモジュール」も発売する予定だ。

 なお、Aシリーズは6ドライバーの「A6」が20万円からと高価だが、米国では下位モデルとして2ドライバーから5ドライバーの4機種がラインアップされている。ミックスウェーブでは、12月19日と20日に東京・秋葉原で開催される「ポタフェス」会場で、国内未発表の4製品も含めた全ラインアップを展示する予定だ。

「A6」は6ドライバー
型番 A12 A10 A8 A6
ドライバー BA型×12(Low×4、Mid×4、High×4) BA型×10(Low×2、Mid×4、High×4) BA型×8(Low×4、Mid×2、High×2) BA型×6(Low×2、Mid×2、High×2)
周波数特性 10〜2万Hz
インピーダンス 16オーム 18オーム 18オーム 22オーム
実売価格(税別) 33万2815円 30万417円 23万5620円 20万3231円
発売日 12月19日

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