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CESで見つけた“注目のヘッドフォン”総集編 2016CES 2016(8/10 ページ)

» 2016年01月15日 12時16分 公開
[山本敦ITmedia]

オンキヨー/JBL/クリプシュ/Master&Dynamicが新しいBluetoothヘッドフォンを発表

 北米では特にヘッドフォン・イヤフォンによる音楽再生については、今のところまだハイレゾよりもBluetoothによるワイヤレスリスニングの方に関心が高いのが現状だ。そのため、音や機能にこだわったBluetoothヘッドフォンやイヤフォンに力のこもった製品も多い。

 先ほど触れたオンキヨーについては、2つのイヤーピースの間にケーブルがない、いわゆる両耳完全独立型のBluetoothワイヤレスイヤフォン「W800BT」が新製品として発表されている。北米では今年の春に299ドルで発売を予定しているようだ。

オンキヨーの両耳独立タイプのBluetoothイヤフォン「W800BT」

 本体には8.6mm口径のダイナミックドライバーを搭載。ハンズフリー通話に対応するマイクも備え、キャリングケースを兼ねる充電スタンドに装着して本体を充電。連続再生時間は最大3時間までだが、スタンド自体に本体を5回までフルにチャージできる予備のバッテリーが内蔵されている。

 残念ながら本機の音を試聴することはできなかったが、コンパクトな本体は装着性も良く、身に着けているとイヤフォンの存在を忘れてしまうほどだ。今年以降、本機のように左右ピースをそれぞれ耳に装着するタイプのワイヤレスイヤフォンが新しいトレンドの牽引役になるのではないだろうか。

 JBLからはアメリカのスポーツウェアブランド「アンダーアーマー」とコラボしたワイヤレスタイプのスポーツイヤフォンが登場した。ブランドとコラボしたスポーツイヤフォンは取り立てて珍しい存在ではないが、筆者が注目した「UA Headphones Wireless Heart Rate」というモデルは、装着すると心拍センサーが内蔵されたウェアラブルイヤフォンだ。

JBLの「UA Headphones Wireless Heart Rate」

 本機のためにJBLが開発したフィットネスアプリ「Under Armour Connected Fitness」をスマホなどにインストールしてBluetoothで連携させると、耳の皮膚に当たる内側の箇所に内蔵された心拍センサーがスポーツ時の心拍数やワークアウトのレベルを計測、アプリの画面上に見える化する。ワークアウトの効率を高めながら音楽が楽しめる画期的なイヤフォンだ。本体はネックループデザインで、スマホの操作に対応するリモコンも搭載している。価格は250ドルを見込んでいる。

耳の肌に当たる部分に心拍センサーを内蔵。手首などで計測するよりも正確にデータが取れるという

 クリプシュはシングル・ダイナミックドライバーのイヤフォン「Reference R6」をベースに開発したBluetoothイヤフォン「R6 In-Ear Bluetooth」を発表した。北米では既に発売されており日本市場への導入もありそうだ。

クリプシュの「R6 In-Ear Bluetooth」

 本体はネックバンドタイプのデザインで、イヤーフックのところにアンプやバッテリーが内蔵されている。独自の楕円形イヤーチップによる心地良い装着感を継承。aptXやAACの高音質コーデックもサポートしている。

クリプシュのブースに展示されたBluetoothイヤフォンの試作機

 さらにネックバンドタイプのイヤフォンとして、よりファッション性を追求したプロトタイプも展示されていた。イヤフォン部はImage X4iをベースに試作したもので、ネックバンドの部分には贅沢に革素材をあしらった。クリプシュのスタッフは「これからBluetoothワイヤレスヘッドフォンに力を入れていくことの宣言と、そのケーススタディとして製作したプロトタイプだが、ヘッドフォン部は他の機種に変更することも可能。反響をみながら商品化に駒を進めたい」と語っていた。

 Master&DynamicもBluetoothヘッドフォンのフラグシップモデル「MW60」を発表した。北米では1月下旬から、549ドル(約6.4万円)のハイエンドラインとして投入を予定する。カラバリはガンメタルとブラックレザーの2色。

Master&DynamicのBluetoothヘッドフォン「MW60」

 45mm口径のネオジウムマグネット搭載ダイナミックドライバーを搭載。インピーダンスは32Ω。ハウジングにアルミ製のアンテナを内蔵してワイヤレス転送速度の向上を狙った。バッテリーライフは16時間を実現。aptXの高音質コーデックをサポートする。展示されている実機のサウンドをiPhoneで確認できたが、分厚く力強い低域に、メリハリの効いたボーカルが印象に残った。

 イヤーパッドやヘッドバンドにはラムスキンのプレミアムレザー素材を採用。345gと質量はそれなりにあるものの、心地良い装着感を追求した。ヒンジなど金属部分はステンレススチールとして贅沢な質感を持たせている。

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