英メリディアン・オーディオが開発したロスレス・オーディオの新たなコーディング技術である「MQA」に新しい動きがあり、今年はハードメーカーやコンテンツプロバイダー、そしていくつかの音楽配信プラットフォームがMQA対応のオーディオ機器や楽曲タイトルを提供することが明らかになった。
この流れを受けて、発表時からソフトウェアのアップデートによりMQA対応を表明していたパイオニアとオンキヨーのポータブルオーディオプレーヤーがCESに出展するオンキヨー&パイオニアのブースにて、7digitalのMQA音源の再生に対応するプレーヤーアプリをインストールした状態でMQA再生のデモを行っていた。
それぞれ「XDP-100R」「DP-X1」をブースに展示して、来場者が持参したヘッドフォンなどで聴くことができるようになっている。MQAのスタッフによれば、日本国内でもいくつかのプラットフォームがMQAによる楽曲配信を近日スタートする可能性があるという。スケジュールが明らかになることを期待したい。
ハイレゾリューション・オーディオの立ち上がりという観点から見れば、北米市場の出足は確かに鈍いようだが、当然のことながらそれは北米のコンシューマーが音楽に興味がない、あるいはその進化に取り残されているという意味では全くない。ワイヤレス再生による利便性を追求する姿勢についてはむしろ日本国内よりも貪欲だし、センシング技術にVR、コネクティビティといったエレクトロニクスの異なるカテゴリーとのマージも少しずつだが始まっているようだ。
今年は目立つ形での出展が少なかったものの、iOSデバイスにLightning端子経由で直結できる製品も、例えばLightning端子からオーディオ信号と電源を取り出してアクティブノイズキャンセリング回路を駆動する「JBL Reflect Aware」などの製品も、あるトレンドの流れに沿った先端製品としてマークしておく必要があるだろう。2016年のポータブルオーディオリスニングのトレンドはどこへ向かうのか、ほんの一端ではあるが、その傾向をCESの展示から垣間見ることができたように思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR