マッピーはゲームのキャラクターとしてもおなじみだが、最初は遠山さんが企画デザインを担当した迷路脱出ロボット(1981年)として登場。給仕ロボット「キュージくん」(すでに引退)に次ぐ小町の相棒として、今回新たに豊田さんが3Dプリンターでレプリカを製作した。「プロジェクターに合わせて本体サイズは変えましたが、正確なCGモデルを起こしてオリジナルを忠実に再現しています」(指田さん)と語る自慢の作品だ。
マッピーはもともと、科学技術館などで開催したマイクロマウス大会やデパート催事で活躍していた。
マイクロマウス大会は、自立型ロボットに自律的に迷路を探索させてゴールに到達するまでのタイムを競うというもの。
遠山さんは「主催者としてナムコも大会に参加したんですけど、本気で作ったらダントツの速さでゴールしてしまい、ちょっと大人げなかったなと(笑)。でも、次の大会ではその記録が塗り替えられて驚きました」と、当時を懐かしむ。他にも「ニャームコ」「ピュータン」などの迷路脱出ロボットがいた。
そんな人気者のマッピーが、存在感たっぷりのブロンズカラーで受付にいるとなると、来客も黙ってはいられない。
「うわぁすごい、懐かしい、マッピーだ! って、みんながマッピー像を触りまくるんですよ。まぁ、私も逆の立場だったら触ってたと思いますけど(笑)」と、指田さんは冗談交じりに語る。先述したようにマッピーの中にはプロジェクターが隠されているので、マッピー像を動かすと映像がずれて正しくプロジェクションできなくなってしまうのだ。
石井さんも「ずれると正しい位置に戻すのがすごく大変ですが、今は調整しやすいように専用台座を設計・製作して工夫しました」と説明する。
実は筆者も訪問時にまずマッピーが目に入り、思わず触ってしまいそうになって思いとどまった。これから訪問する機会がある人は、どうかマッピーにはあまりお手を触れないようお願いしたい。
「プロジェクションマッピングは、映像を実体に降臨させる儀式」と表現する石井さんは、「今後の課題は動きにぴったり合わせるための精度向上ですが、個人的な野望もあります」と語る。その野望とは、昔のナムコのロボットにプロジェクションマッピングをすること。
「ニャームコ」「マッピー」「アトマ」「ピクパク」など具体的な名前が挙がると、他の担当者からも「ピュータンがいいんじゃないか?」などの意見が出て盛り上がった。もしかしたら、80年代の懐かしのロボットたちも小町のような復活劇を遂げる……かもしれない。
これからの小町のロードマップについて尋ねたところ、「来客の方が退屈しない、占いのようなエンタメ機能が欲しい」「背景も映像で華やかにしたい」「時計が表示できると便利」「違う音声パターンも入れたいね」など、いずれの担当者からもアイデアは尽きない。今後の小町のさらなる進化に注目だ。
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