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徹底検証! OPPO「BDP-105D JAPAN LIMITED」は“画面が明るい”という噂は本当か?野村ケンジの「ぶらんにゅ〜AV Review」(2/2 ページ)

» 2016年03月04日 13時08分 公開
[野村ケンジITmedia]
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 もちろん、取材時に2台がイコールコンディションになることについては、十分な注意を払っている。最初、2台並べてプロジェクターのHDMI2系統入力に接続することも考えたが、全く同じ環境になるようHDMIケーブルは普段から使用しているスープラ「HD-5」を都度差し替えることにした。また、電源ケーブルも同じもの(サエクのPL-8000)を使用。また、プロジェクターの明るさが安定するまで30分ほど待ち、計測もノーマル→JAPAN LIMITED→ノーマル→JAPAN LIMITEDと、2度ずつ計測をして誤差もチェックした。

ルクスメーター「TASI-8720」を使って計測中
実写映像も計測

 その結果がこちらだ。

  BDP-105DJP(ノーマル) BDP-105D JAPAN LIMITED
シーン1-1(白い背景) 174 170
シーン1-2(淡い水玉) 157 153
シーン1-3(グレーの服) 29 27
シーン2-1(白い服) 163 162
シーン2-2(青い背景) 49 48
シーン3-1(実写海画面下部) 5 6
シーン3-2(実写海画面上部) 80 80

 数値で見ると、両者では微妙な差しかなく、誤差の範疇と思えるレベルの違いだったりもする。また、明るい場所はかえってJAPAN LIMITEDのほうが暗くなっている場合もあった(シーン1-1はノーマルが明るくシーン2-1はほぼ同じ)。100ルクス以下の場所はほぼ変わらず、数ルクスの場所はJAPAN LIMITEDのほうが明るくなっている、といった結果だ。この数字を見る限り、JAPAN LIMITEDのほうが、ダイナミックレンジが狭いようにも思えてしまう。

 しかしながら、視聴時の印象は全く異なる。OPPOのメニュー画面が映った瞬間に分かるくらい、明らかにJAPAN LIMITEDのほうが明るく感じたのだ。しかも、ベールを1枚も2枚もはいだかのように、JAPAN LIMITEDの映像のほうがクリアで、かつ抑揚表現がダイナミックに感じられる。なかなかに不思議な現象だ。もっと細かな測定を行えば、数値的な優位性を絞り込めるのかもしれないが、今回の数値からも、場所によって明るさが変化していることは断言できる。

 そう、要するにこれは印象の錯覚ともいうべき効果なのだろう。画面が明るくなるというより、暗いところがちゃんと暗くなってくれたおかげで、明るい部分がより明るくなったように感じたと思われる。正しい輝度、正しい表示になったおかげで、メリハリの良い、鮮明な映像に感じられるようになったのだ。当然のことだが、プロジェクターやディスプレイには限界輝度があって、それ以上に明るくなることはできない。このためプレーヤーにより明るさの印象が変わるということは、明るさの“表現”が変わったと考えるのが妥当だ。音声に関しては、クロックの交換なども効果を発揮しているのだろうが、映像に関しては筐体の強化と振動対策、ノイズ対策がメインだ。それで、ここまで印象が変わることに驚いた。機会があれば、是非皆さんも比較試聴してほしい。ノーマルモデルでも充分に満足できるクオリティだが、JAPAN LIMITEDはよりメリハリのあるピュアな映像を映し出していることを感じてもらえるはずだ。

 さて、件の担当者にも検証結果を見せて意見を聞いてみた。すると、「White100の出力値は定められた値で出力されるよう決められていますが、グレースケールのグラデーション推移、言い替えればガンマ特性が微妙に変わったことで、相対的に隣接するグレーと比べて尖がったり、凹んだりしたグレーができる結果、あたかも白ピークが上がったかのように感じると推測しています」とのこと。なるほど。

 ところで筆者は、今回の件でOPPOの担当者とやりとりした際、「JAPAN LIMITEDアップグレードサービスの申込数は想定以上。材料調達の兼ね合いで、今後の生産数を検討する時期に入った」という話を聞き、アップグレードを行うことを決意した。Titanium Grayモデルのほうも限定となっているため、気になる方は是非早めにアップグレード&購入することをお勧めする。

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