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リオ五輪を“スーパー”な画質で観る方法(1/2 ページ)

» 2016年07月10日 06時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 8月5日に開幕するリオデジャネイロオリンピック。多くの日本人選手が出場を決め、メダルの期待もかかります。一方、今回のオリンピックは4年後に迫った「東京オリンピック」の試金石として放送業界も注目。NHKは世界に2台しか存在しない「8K映像中継車」の1台を現地に持ち込み、8Kスーパーハイビジョン撮影に臨みます。今回は、その超高画質映像を楽しむ方法を紹介しましょう。

NHKのスーパーハイビジョン特設サイト

8Kを体験してみる?

 8Kというのは、画面の横解像度が約8000(=8K)ピクセルもある次世代の放送フォーマットです。正確に書くと解像度は7680×4320ピクセルで現行フルハイビジョン(1920×1080ピクセル)の16倍という高精細さ。話題の4Kテレビと比べても4倍も細かい画面を持っています。

 そしてオリンピックの開幕直前となる8月1日からは、NHKはBSを使って「4K・8Kスーパーハイビジョン試験放送」を開始します。放送時間は毎日10時から17時ですが、オリンピック期間中は生中継などに合わせて放送時間を拡大。NHKとオリンピック放送機構が共同制作した柔道やバスケットボール、サッカー男子決勝などの録画放送を行うほか、8月6日の開会式や競泳、陸上競技の決勝、そして22日の閉会式は8Kで生中継することになっています(いずれも日本時間)。

「4K・8Kスーパーハイビジョン試験放送」の番組表。赤字の番組はすべて8K制作です

 ところが、残念なことに8K試験放送を受信するためのテレビやチューナーは今のところ存在しません。BSといっても従来のBSデジタル放送とは方式が異なり、また家電量販店に行っても8Kテレビなど売っていません。つまり一般のご家庭で見ることはできません。

 8Kを見たい場合、各地のNHK放送局などに設けられるパブリックビューイングに行くことになります。東京なら「NHK放送博物館」「NHKみんなの広場ふれあいホール」「NHK放送技術研究所」「丸ビル」「パナソニックセンター」の5カ所。大阪なら「グランフロント大阪 ナレッジシアター」です。

 中でも東京・江東区有明にある「パナソニックセンター東京」では、8月6日から8月22日までの間、“国内で最高の明るさ”を実現したシステムで8K映像を楽しめます(200型以上の8Kシステムとして)。このシステムは、4K解像度を持つ高輝度DLPプロジェクターを4台使い、240型の大画面に4万lm(ルーメン)という明るさで8K映像を表示するというもの。音響面も、パナソニックのプロ用音響機器ブランド「RAMSA」(ラムサ)のスピーカーを使った22.2chですから、臨場感あふれるパブリックビューイングになるはず。時間のある方はぜひ見に行ってください。

4Kなら自宅のテレビでも楽しめる!

 では、一般のご家庭でオリンピックを高画質で楽しむにはどうしたら良いのでしょうか。実は冒頭で触れた「4K・8Kスーパーハイビジョン試験放送」では、“実験的な試み”として一部の競技映像を4Kにダウンコンバートした映像をインターネット経由で配信します。4Kも国内外で規定された「Ultra HD」「スーパーハイビジョン」の一種ですし、家庭の4Kテレビで観ることができます。

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