12月17日、18日の2日間にかけて行われている「ポタフェス2016冬 in 東京/秋葉原」。今回のポタフェスは「ベルサール秋葉原」会場の他に秋葉原UDX2階の「アキバ・スクエア」も会場としているが、アキバ・スクエア会場では「スクフェスAC」コーナーの反対側にクラリオンの車載フルデジタルサウンドシステムを体験できるコーナーがあった。
「フルデジタルサウンドってなんじゃらほい」とよく分からずも、まずは聴いてみようと車に試乗してみたのだが、音を鳴らしてみてびっくりした。音がクリアなのもそうなのだが、この音が一体どこから鳴っているのか分からない。
強いて言うなら、ルームミラー付近から鳴っているようにも思えたのでその辺りを確認するが、スピーカーは見当たらない。説明員にスピーカーの場所をよくよく聞いてみると「前後の両側のドアの中です」という。
カーオーディオの世界はあまり知らないのだが、これは「前方定位」を出せているということらしい。
このシステムが前方定位を出せて、音がクリアであることは分かった。では、「フルデジタルサウンド」というのは一体何なのだろう。この技術について聞くべく、ベルサール秋葉原のクラリオンブースに向かった。
こちらでは「フルデジタルサウンド」のヘッドフォン「ZH700FF」を展示している。DA変換をしないので、音楽プレーヤーからヘッドフォンへの接続はUSBケーブルだ。こちらもまずはと聴かせてもらったところ、音はしっかり解像しつつも柔らかい音、という印象を受けた。
「フルデジタルサウンド」とは一体何なのかと、クラリオンのブースにいたマーケティング部主任の井上陽介氏に聞くと、「振動板の直前でDA(デジタル→アナログ)変換しているわけでもなく、本当に振動板までデジタル信号を届けています」という。
0と1のデジタル信号でどうやって振動板を駆動するのかというと、まず音楽プレーヤーから来たデジタル信号を専用のLSIで振動板を駆動するためのデジタル信号に変換する。変換後のデジタル信号に、1であれば+3.3V、0であれば-3.3V、信号なしであれば0Vという電圧情報を付加し、振動板上の「ボイスサーキット」という回路にその信号を流す。ZH700FFの場合は4本のボイスサーキットに流れる信号の組み合わせが、表現できる音の複雑さとなり、振動板を揺らして音を耳に届ける──ということのようだ。
聞いてきたことを整理しても、特にボイスサーキットが作った音波が実際に振動板を駆動する部分の原理がいまいち分からないのだが、とにかくDA変換はしていないということだ。
ZH700FFはmicroUSB端子と光ミニ端子を搭載しており、これらからのデジタル信号に対応する。再生周波数帯域は10Hz〜48000Hzだ。もっと詳しくこの原理や実際の音を聴いてみたいという人は、18日にクラリオンのブースへ足を運んでみてほしい。
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