ITmedia NEWS >

ティアック、来春発売のDAC兼プリメインアンプ「AI-503」をポタフェスで披露――LDACもサポート

» 2016年12月17日 18時33分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ティアックは12月17日、Referenceシリーズの新製品となるUSB-DAC兼プリメインアンプ「AI-503」を「ポタフェス2016冬 in 東京/秋葉原」の会場で披露した。生産を完了した「AI-501DA」の後継機という位置付け。2017年の2月から3月に発売を予定しており、販売価格は税別13万円前後になる見通しだ(オープンプライス)。

「AI-503」AI501DAのデザインを継承したレベルメーターが印象的。ディマー機能で明るさを調節できる
本体色はブラックとシルバーの2色をラインアップ。サイドパネルはUD-503同様、シルバーはシルバー、ブラックはブラックとして一体感を出した

 DACチップとして旭化成エレクトロニクスの「AK4490 VERITA」を2基搭載し、プリアンプまでデュアルモノーラル構成とした。またデュアルクロックや高精度の電子制御ボリュームなど音質にこだわった仕様。最大384kHz/32bitのPCMおよびDSD 11.2MHzまで再生できるほか、リモコン操作で4種類のPCMデジタルフィルターと2種類のDSDフィルターを切り替えて音質の違いを楽しめる。

メーター内部は白色照明を採用。視認性を向上させるとともに洗練された雰囲気を醸し出す。独自の演算回路により、応答性を向上させた。アルミ製ボリュームノブはスピン加工仕上げ

 また、UD503と同じTEAC-HCLDバッファーアンプ採用のヘッドフォンアンプを搭載。「プッシュプル回路とオペアンプのディスクリート構成によるAB級動作のヘッドフォンアンプとなっているが、A級動作の範囲を広くとり、おそらくほとんどのヘッドフォンでA級動作が可能だ」(ティアック音響機器事業部コンシューマーオーディオビジネスユニットの吉田穣氏)という。

 ヘッドフォン出力は、「HA-P5」にも採用した3.5mmの4極グランドセパレート接続に対応する。「チャンネルセパレーションを高める手法はほかにもあるが、グランドセパレート式は簡便でありながら効果が高い。またポータブル機器でも対応が拡大しており、据え置き機でも同じように楽しめるとユーザーにとっても利便性が高いだろう」(吉田氏)。High/Lowの2段階ゲイン切替機能に対応。最大出力は280mW+280mW(32Ω時)と、高インピーダンスの高級ヘッドフォンも余裕で駆動できるとしている。

グランドセパレート接続が可能な3.5mmの4極端子も装備

 フロントパネルには、ポータブルオーディオプレーヤーと親和性の高い3.5mm光デジタル/アナログ兼用入力端子を装備。BluetoothではLDACやaptXといったコーデックに対応するなど、やはりポータブル機との相性を重視。なお、開発時期の都合でaptX HDはサポートしていない。

フロントパネルに3.5mm光デジタル/アナログ兼用入力端子を装備

 パワーアンプ部は、ICEPower製のClass-Dで、コンパクトかつファンレスの設計。「高効率であることはもちろん、微小信号の再生でも高い解像度を持ち、高出力時には高いリニアリティを確保できる」としている。出力は40W+40W。

リモコン
ボリューム操作時にはインプットセレクターのLEDランプがレベルに応じて点灯するため、遠くからでも動作が分かりやすい。細かい使い勝手にも配慮している

 ユニークなのは、プリメインアンプでありながら、外部パワーアンプとの接続するためのプリアウト機能を持っていること。ボリュームコントロールが可能なRCA端子を装備しており、パワーアンプを使って大型のシステムへの拡張が可能だ。そのほかのインタフェースとして、USB-A、光デジタル(角形)、同軸デジタル、アナログRCAなどを備えている。

背面端子。USB-A、光/同軸デジタル、アナログRCAなどを備えている

 同社が提供するアプリケーション「TEAC HR Audio Player」は、ASIO 2.1とDoPをサポート。384kHz/32bitのPCM、および11.2MHz DSDまでのDSDネイティブ再生に対応する。なお、TEAC HR Audio PlayerとAI-503の組み合わせ時に限り、Macでも11.2MHzまでのDSDネイティブ再生が可能になるという。

 ティアックでは、AI-503を「Bluetoothにも対応したハイレゾDAP時代のプリメインアンプ」として、「スピーカーリスニングにも興味があるDAPユーザー、同時にポータブルオーディオで集めた資産も生かしたい人。さらにはスマートフォンやタブレットからワイヤレスリスニングを楽しみたい、省スペースでも高品質なオーディオシステムを構築したい人などに向けて訴求していく」(吉田氏)。ポータブル全盛の今だから登場した据え置きオーディオといえそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.