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手持ちでスローシャッターが切れるオリンパス「E-M1 MarkII」は“化け物”である(1/3 ページ)

» 2017年01月20日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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プロ仕様のミラーレス機「OM-D E-M1 MarkII」。ファインダーをのぞいて撮りたくなるボディはちょっと大きめ

 控えめにいっても、「OM-D E-M1 MarkII」は化け物である。

 特に手ブレ補正、AF、連写の3つがすごい。

 オリンパスのフラッグシップモデル「E-M1」の後継機で、発売から3年たち、価格も上がりボディもちょっと大きく重くなったので当然それなりに進化しててしかるべきではあるが、それにしてもである、1秒以上のスローシャッターを手持ちで撮れるようになるとは思わなかったのだ。

 AFと連写も速くなった(これは今のハイエンドミラーレス一眼のトレンドだ)。コンティニアスAFを実用的に使えるレベルに達したのだ。

 そしてプロ向けのフラッグシップモデルとしていろいろ進化した。

 これは注目すべきカメラである。

手持ちで夜景撮れる超絶手ブレ補正

 とりあえずこれをどうぞ。

 手持ちで、どこかに寄りかかったり腕をどこかでささえたりせず、普通に仁王立ちし、息を止めて5秒間ぐっと集中してファインダーを覗いて撮った夜景写真である。

 「手持ちで5秒!」。三脚いらず。

手持ちで夜景。シャッタースピード5秒でISO感度は200である。三脚がないと撮れないシチュエーションだ。夜景はある程度絞り込んで撮るのが基本だが、手持ちでも可能になった(12mm 5秒 F8 -0.7 ISO200)

 絞り優先でF8まで絞り込んで5秒。5秒集中するなんてなかなかつらいのであるが、ほとんどぶれてない写真を撮れた。

 今までどんなカメラでも1秒以上のスローシャッターで手持ちで撮るなんてできなかったもの。

 びっくりですわ。

 ただ当然ながら条件はある。

 E-M1 MarkIIのセンサーはボディ内の5軸手ブレ補正機構で支えられている。さらに、一部のレンズはレンズにも手ブレ補正機構を持っている。そのレンズ(今回は新しい12-100mm F4 PROレンズを使用)と組み合わせると、両者の手ブレ補正機構がシンクロし(シンクロ手ブレ補正)、6段分の手ブレ補正が可能になるのだ。

 手ブレ補正機構内蔵レンズ(ただしオリンパスのもののみ。パナソニックのレンズには未対応)とE-M1 MarkIIの組み合わせが必要だ。

 実はE-M1もボディ内手ブレ補正を持っているし、シンクロ手ブレ補正に対応しているのだが、両者で撮り比べたところ、新しいE-M1 MarkIIの方が圧倒的にブレが抑えられた。

 その差はおそらくシャッター機構の違いにある。

 E-M1 MarkIIの方がシャッターによる微妙な振動が小さいのだ。シャッター音も小さくて振動が少ない。「フローティングシャッター構造」を採用することで、シャッターショックが伝わりづらくなっているのだ。実際に使ってみてもE-M1に比べてシャッター時に手に伝わる振動が激減している(ついでにシャッター音もいくらか静かになった)。かくして、E-M1 Mark IIは手ブレ補正が超強力なのである。

 だからこんな風に手持ちでも光跡を撮れるし。

手持ちのシャッタースピード2秒で、通り過ぎる夜のバスを撮影。手持ちではなかなか撮れないシーンだ(12mm 2秒 F8 ISO200)

 望遠ではどうか。さすがに100mm(200mm相当)の望遠だとちょっとぶれちゃうが、手持ちで1.3秒である。1秒くらいならいけそうかも。

望遠でレンガ造りの歴史的建造物に埋め込まれた時計を。等倍で見るとほんのちょっとぶれているが十分使える(100mm 1.3秒 F4 ISO200)

 そんなわけで、E-M1 MarkIIのボディ内手ブレ補正は強力で、レンズ内にも手ブレ補正を持っている「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」(あるいは「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」)と組み合わせると超強力である。

 暗所での手持ち撮影が多いなら、「12-100mm F4.0 IS PRO」レンズはぜひ買っておきたい。

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