普通のコンデジの存在感がめっきり落ちてきた昨今ではあるけれども、スマホもコンデジの一種と考えれば(少なくともユーザー的にはそうだ)、カメラ専用機の存在感が落ちてきたとする方がいい。
そんな中、「カメラ専用機」が存在意義を示すにはどうするか。画質とカメラ臭さで存在意義を示そうとするのが高級コンデジ、高倍率ズームで存在意義を示そうとするのが普及型コンデジといっていいわけだが、高倍率ズームだけじゃ弱い。
そこでニコンが2016年からすすめているのが「SnapBridge」。Bluetoothを使ったスマホへの画像自動転送機能である。最初に搭載されたのがD500といったハイエンドの一眼レフだったので目立たなかったが、これは本来エントリー向けの一眼レフやコンデジで力を発揮するものだ。
その1つが「COOLPIX A900」である。
「COOLPIX A900」は小型高倍率で旅行に最適、てな位置づけの普及型コンデジ。数社がこのクラスにラインアップしているが、他社が30倍ズームなのに対し、A900は35倍とスペックでちょっと上回ってる。
EVFも持たないシンプルなコンパクト機ながら、24-840mm相当の35倍。840mm相当なんて超望遠の部類。
センサーサイズは1/2.3型で2000万画素。レンズはF3.4-6.9。実際、840mm相当でF6.9でファインダーももたないカメラだと、望遠を実用レベルで使えるのは明るい昼間だけになるが、迫力はかなりある。
このセンサーサイズで2000万画素もあるので画質面ではこころもとないが画質よりは利便性のカメラなのでよいのである。
ISO感度はISO80から3200。
オートで撮ると、なるべくISO感度を上げなくて済むような露出を選択してくる。雲が出てやや暗くなった午後、少し離れてポートレートを撮ると、840mm相当で1/15秒(ISO200)ということに。望遠でポートレートを撮りたい人は手ブレに注意、あるいは明るい昼間に限るって感じだ。
いくら手ブレ補正が強力でも、840mm相当で1/15秒ってのはかなりムチャな話。だが、この超望遠で1/15秒でほとんどぶれてないってのはすごい話かも。明るい昼間なら問題なし。
望遠に強いとなるとスポーツを撮ってみたくなるもの。連写は高速連写にすると秒7コマで1秒分撮れる。そのうちの1枚がこちら。シャッタースピード優先にして1/500秒で撮影した馬術競技のヒトコマだ。
さらに電子シャッターを使った超高速連写もあるが撮影画像サイズが小さくなるのでお勧めしづらい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR