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インタビュー
» 2017年08月18日 12時21分 公開

パナソニックの型破りな家電! 「脱臭ハンガー」誕生の秘密(2/4 ページ)

[滝田勝紀,ITmedia]

中迫氏:まず、手頃な価格のハンガーと高級ハンガーを購入して何が違うのかを調べました。形状の異なる理由、どこに高級感を感じるのか。ノウハウを蓄積するため、さまざまなところに問い合わせして、実はハンガーの肩幅こそが重要なんだと気づきました。

――肩幅、ですか?

中迫氏:メインのターゲットはスーツを着て人前に出ることが多い方、身だしなみを気にする方、つまり30〜50代の男性です。しかし女性も同様に、あるいはそれ以上に臭いを気にすると思いますので、せっかく作るのなら男女を問わず使えるものにしたかった。しかし、男性と女性では体の大きさや肩幅が違い、洋服の形状や大きさも大きく異なります。本来なら最適なハンガーの形状やサイズも違うため、例えば男性向けに作ってしまうと女性の服をかけたときに型崩れしてしまう可能性があります。

 このため、男女を問わずに使える肩幅は存在しないのか、と必死にリサーチしました。まずメインターゲットは男性なので、社内の人間が持っているスーツを片っ端から調べ、細かくデータを積み重ねていきます。もちろん伸縮式という案も出ましたが、伸縮式にすると突起部が増えて大きくなってしまい、見栄えも悪くなりますから。しかし妥協はしたくありません。最終的に私が肩幅を400mmに設定しましたが、そこに至るまでにはかなりの時間がかかりましたね。

スーツをかけたところ。普通のハンガーとなんら変わらないスタイルで、服も型崩れしにくそうだ。電源コードは首の横から出る形で、AC電源のほかモバイルバッテリーでも動作が可能
電源スイッチを押せば標準モード(LED表示は青)、2秒以上の長押しでロングモード(オレンジ)となる

――400mmという数字の根拠を教えてください

中迫氏:スーツ用ハンガーは、実際の肩幅より20〜30mm小さいほうが良いといわれています。またアパレルメーカーにスーツの傾向を聞いたところ、最近はスリムな方が増えてスーツもスリム化も進み、以前なら肩幅450mmなど広い幅の方が多かったのに、近年は430mm程度の方も増えているそうです。

 また女性は360mmから400mmちょっとくらいが大半で、そうした肩幅の狭い洋服をかけたとき、肩の横がどれだけ出っ張るかが問題になります。脱臭ハンガーは高級木製ハンガーのように丸みを帯びているため、出っ張りがあっても丸みが滑らかに布を内側から押し出すので、型崩れしにくいのです。社内では身長150cm、肩幅360mmくらいの女性から、身長190cmの男性まで脱臭ハンガーを使ってもらい、型崩れしないことを確認しつつ、最終的に400mmという数字に決めました。

――かなり手間が掛かっていますね

中迫氏:商品化にOKが出てから仕様を決めるまでは相当時間が掛かりました。企画書も何度も書き直しましたね。3回くらい(笑)

――内部についても教えてください。苦労したところや工夫したところはどこですか?

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