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インタビュー
» 2017年08月18日 12時21分 公開

パナソニックの型破りな家電! 「脱臭ハンガー」誕生の秘密(3/4 ページ)

[滝田勝紀,ITmedia]

中迫氏:まずはこのハンガーの中にファンやナノイーデバイスを収めたことですね。コンパクトに収めるために工夫を重ねました。実際、試作品はもう少し大きかったですし、形状も違いました。

――しかし、新ジャンルの家電で洋服を掛けるものですから、少しくらい大きくても良かったのではないですか?

中迫氏:確かに容積があればデバイスやファンを入れ込むのは簡単ですが、ハンガーである以上、通常のハンガーの大きさと遜色のない形状にすることにこだわりました。大きくなるとクローゼットの中で使いにくいですし、普通のハンガーと並べたときも違和感のないものにしたかったのです。デザイナーと技術とで試作と検証を繰り返し、実現することができました。

脱臭ハンガーの内部

――脱臭ハンガーには8つの吹き出し口がありますが、これはナノイーXを効率的に使うためですか?

効率良く脱臭するために8つの吹き出し口を装備。ハンガーの背面に襟用、両肩の上面には肩用、底面の両サイドが脇・襟袖用、中央寄りに背中・胸用があり、前身頃や後身頃まで脱臭する

中迫氏:そうです。しかし、その前に本当に臭いがとれるかを検証するための試験方法を探りました。社内の臭気判定士に話を聞いて知見を得たり、先行技術などを専門に行う部門に相談しにいったりもしました。

 ナノイーXは目に見えないものです。今回は脱臭に特化している製品である以上、臭いが取れなかったら商品として全く意味がありません。このため、まずは実際に社員が着用して汗が付着したスーツやジャケットを使って検証を行い、一方では臭気判定士がいくつかのポイントに擬似的な臭いをつけ、5時間の運転でどの程度の臭いがとれるかを試験します。このようなた定性的な試験と定量的な試験を同時に重ねていきました。

――なるほど

中迫氏:量的な試験としては、ほかにも社員の中から臭いをしっかりかぎ分けられるパネラー6人を選んで確認してもらいました。また定性的な試験としては社内外のモニターに実際に使ってもらい、満足度などを確認しながら、吹き出し口の形状や位置決めを進めました。

吹出口のアップ。それぞれ向いている方向が違う

中迫氏:例えば、内側にある背中・胸用の吹出口からはそのまま垂直方向に吹き出すのに対し、外側の脇・袖用の吹出口は斜め方向に向いてます。脇部分は袖が斜めに出ているので、風も斜めに抜けていくようにしていたり、背中・胸用は前身頃などしたにしっかりと風が通るようにすることで、「ナノイーX」がそれぞれに浸透するように工夫しています。

――最初は想定されていなかった吹出口もあるのでしょうか?

中迫氏:襟元の吹出口です。ハンガーの背面、首元の部分の吹出口は初期のプロトタイプにはありませんでした。実用試験を繰り返す中、首周囲の臭いが思うようにとれなかったため、襟元の吹出口を追加したり、本体をより丸みのある高級ハンガー形状に近づける工夫などをしていきました。

――なぜ、最初は襟元の吹き出し口がなかったのでしょうか

中迫氏:最初は襟元の吹出口がなくても、襟部分にまでナノイーXが循環すると思っていたんですよ。洋服の内側に風を吹かせれば、循環することで、上方に空気が出ていくからです。でも、それが思いの外難しく、なかなか襟元の臭いがとれませんでした。あと、最初の頃は脇や前身頃など、最も臭いが気になるところやとりにくいところを重点的に見ていたため、そこがとれてくると逆にとれていないところが気になってきたのです。

――他に臭いをとるのが難しい場所はありましたか

中迫氏:実は最初の頃に前身頃の臭いを取るのに苦労しました。このスーツの前の下のあたりなんですが、そこの臭いをとるために、ナノイーXをしっかり届ける必要があります。風量を上げれば届くのですが、そのぶん動作音も大きくなり、使用場所によっては気になります。そのバランスがむずかしかったです。また衣類カバーの形状も改良しました。

――衣類カバーにもいろいろと工夫がありそうです

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