ソニーモバイルが「おうちの安心プラン」のために開発したハードウェアである「スマートホームハブ」は、Wi-FiのほかBluetoothやZigBeeなど様々な無線通信規格に対応している。スタート当初はスマートタグやマルチセンサーなど見守り、セキュリティ系の機能を提供することに重点を置く形になるが、8月上旬に開催された記者発表会では、ソニー「Life Space UX」シリーズのLED電球スピーカー「LSPX-103E26」や、ワイヤレススピーカー「LSPX-S1」、床や壁面に投射した画面に触れて操作できる超短焦点プロジェクター「Xperia Touch」、あるいは本連載でも取り上げた「マルチファンクションライト」につながって、スマホアプリでまとめて遠隔コントロールができる発展形も紹介された。これらの機器につながるサービスを遠くない将来に実現できるよう、いま準備が進められている。
例えばXperia Touchに組み合わせると、どんなことができるようになるのか期待が高まる反面、値段も高価なプロジェクターなので多くのユーザーがその機能やサービスを気軽に試せるようになるのか気がかりでもある。
「TEPCOスマートホームはサブスクリプション型のビジネスモデルをベースにしているので、ユーザーの皆様が魅力的な製品やサービスを、よりお求めやすく使えるように仕組みを整えることも大事と考えています。すべてのユーザーにとって入口を広く、ハードルを低く構えてお迎えできるよう、対応機器の販売プラットフォームも強化していきたい」と竹村氏はコメントしている。ユーザーが使ってみたいと感じる製品がサービスの拡大を牽引する可能性は大いにある。例えば毎月の基本料金にオプション料金を追加すれば単体で買うと高価な機器もレンタルして使えるプランがあってもいいと思う。
竹村氏は「家が、家族になる」という、TEPCOスマートホームの核になるコンセプトを立案した人物だ。「家が家族のためにがんばって、成長していくようなイメージ」を思い描いたキーワードなのだという。竹村氏は今後のサービスを成長に導く2つの推進力について言及している。
1つはAI(人工知能)やディープラーニングの要素を採り入れることだ。モバイルアプリにIoTデバイス、クラウドサービスを組み合わせることで、家が賢く進化を遂げていくイメージだ。「おうちの安心プラン」に対応するデバイスであるマルチセンサーには、設置した部屋の気温を検知するセンサーが搭載されている。
サービスのスタート当初は、アプリにはセンサーから得た室温情報が表示されるだけで、エアコンのON/OFFや温度の上下を操作できる機能は搭載されない。竹村氏は「アプリからできることを増やしたり、ユーザーの行動解析をベースにしたデータにひも付けて、ユーザーの生活を家が賢くサポートできるような作り込みを進めていきたい」と意欲を示した。
外部のサービスや製品についても、セキュリティを十分に担保したうえで良いものがあれば積極的にプラットフォームに取り込んでいくという。「例えば“おうちの安心プラン”につながるマルチセンサーは元々はソニーモバイルの製品ではありませんが、プラットフォームにつながってセキュアに動くようテストを繰り返し、システムに最適化しています。安心・安全面にも気を配りながら、ユーザーができることを広げていきたいと考えています。一方で多様なデバイスがつながった後も、シンプルで操作性の高いユーザーインタフェースの出来映えを維持することも大切です。その点では今回、経験豊富なソニーモバイルの知見を借りて、ユーザーフレンドリーなアプリを土台として構えられたことには大きな意味があると感じています」(竹村氏)
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