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いずれソニー製品と連携する? 電力会社が提供するIoTサービス「TEPCOスマートホーム」の勝算(3/3 ページ)

» 2017年08月28日 12時40分 公開
[山本敦ITmedia]
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AIや音声ユーザーインタフェースなどの技術も取り込んでいくのか

 スマートホームに関連するデバイスとして、これから「スマートスピーカー」による音声操作への関心が一気に高まるはずだ。最先端の製品やトレンドはサービスの中にどのように取り込んでいくのだろうか。竹村氏に訊ねた。

 「スマートスピーカーに関連する話題が熱を帯びてきたいま、TEPCOスマートホームも積極的に採用を検討すべきだと思っています。スマートフォンでやるべきことは既に成熟期を迎えています。これからはスマートスピーカーや新しいIoTデバイスにつながって、声だけでなく目線やジェスチャーなど様々なユーザーインタフェースを駆使して、ユーザーの体験をリッチなものに高めて行く必要があると感じています。見せ方的についてもキャッチーなものになるよう、いち早く採り入れたいと思っています。このあたりのコンシューマーユーザーの体験を最大化するノウハウについてはパートナーであるソニーモバイルの豊富な知見も頼りにしています」

 「遠くても安心プラン」では、国内のベンチャー企業であるインフォメティスが開発した約8cmのコンパクトな「エネルギーセンサー」を家庭の分電盤に設置すると、遠方に住む家族が、いつ、どのように家電を使用したか、利用状況を可視化しながらスマホアプリで状況を確認できる画期的な仕組みが採用されている。

家庭の分電盤にエネルギーセンサーを装着して家電の利用状況を遠隔地から見守れる「遠くても安心プラン」

 もし万が一の際に異状が発生した場合は、専任のスタッフが遠方の家族の元に駆けつけて様子をうかがう訪問サービスも利用できるが、現状の枠組みでは、駆けつけるスタッフが医療行為を行うことや、防犯の責任を負うことができない。それでもユーザーにとって価値あるサービスになるだろうという判断からスタートしたが、今後も医療面や防犯面でのサポートについては新たなパートナーを探しながらプランをさらに発展させる方針を竹村氏が語っている。

 現在提供を開始している電気とガスの「セットプラン」との連携も有り得るのだろうか。竹村氏は「ユーザーにとって利用しやすいワンストップサービスとしていくためには電気やガスとのセット展開もあり得る」と答えながら、そのためにはスマートホームのビジネスをできる限り早く大きな柱に育てることが肝要であるとした。

 未来のスマートホームがあるべき姿を、いまできる限り明快にイメージしながら設計図を描き、ユーザーに提案していく積極性がなければどのサービスも生き残りは難しい。TEPCOスマートホームの場合は、これからも話題性のある製品やサービスを迅速かつ柔軟に取り込んで周囲の目を引き付けながら、サービスの増強や新しいプランの追加を矢継ぎ早に展開していくことが目下のところ課題であるように思う。一方で、誰の生活にも欠かせない暮らしのインフラである電気を起点に、TEPCOスマートホームが国内でのIoTやスマートホームの普及をリードする役割を担う可能性は十分にあるといえそうだ。

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