今年も9月6日まで、ベルリンで世界最大級のエレクトロニクスショー「IFA 2017」が開催された。今回は主にスマート家電、IoTデバイスの出展を振り返りながら、本連載のテーマであるスマート家電がこれから向かう先について考えてみたい。
Amazon Alexa、Google AssistantをはじめとするAIアシスタントを搭載するスマートスピーカーがまもなく日本にやってくるといわれている。Googleが開発した「Google Home」については10月にいよいよ日本上陸といううわさもある。AppleのSiriを搭載した「HomePod」や、Microsoft陣営のCortanaを搭載する製品、LINEのAIアシスタント、Clovaを採用した「WAVE」が加わって、スマートスピーカー戦国時代が訪れるのだろうか。
日本のブランドではソニー、パナソニック、オンキヨーがIFAで欧米市場向けのスマートスピーカーを発表した。各社とも長年に渡ってオーディオ製品を開発してきたノウハウを生かした“音の良さ”を製品の特徴としてアピールする。
一方で“スマート”の部分にあたる、ホームネットワークに接続された製品やクラウドサービスとの音声コントロールによる連携については、Google Assitantの場合はChromecast built-inを搭載するAV機器とのマルチルーム再生が手軽にできるという。それは確かに便利だが、既にスマホアプリでも実現できていることが音声による操作にも対応したというだけなら、既存のワイヤレススピーカーとどちらが良いのかという目線で比較してしまう。特にパナソニックは白物家電も取り扱う総合エレクトロニクスメーカーなのだから、白物家電と連携するスマートスピーカーの独自性をIFAでこそ見せてほしかった。
スマートスピーカーに対するIFAの来場者の反応はどうだったろうか。ドイツではAmazon、Googleのサービスが既に利用できる状態になっているし、家電量販店に足を運ぶと「Amazon Echo」と「Amazon Echo Dot」に「Google Home」のスマートスピーカーがもう売っている。スマートスピーカー自体はどういうものか知っているので、あとはどんな機器が操作できて、何が便利になるのか、スマート家電とつながるイメージを見せてほしいという期待が高まっていたように感じた。
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