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インタビュー
» 2018年02月28日 08時00分 公開

これが人とロボットの自然な距離感? おもちゃメーカー発のコミュニケーションロボット「マイルームロビ」 (3/3)

[山本敦,ITmedia]
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 さらに、おでこの部分に内蔵されているタッチセンサー(おでこセンサー)をやさしくなでると、マイルームロビがおやつランキングや占いなどをランダムにおしゃべりし始める。おでこセンサーに約3秒間触れていると「クワイエットモード(スリープモード)」に切り替わり、テレビリモコンや人感センサーも無効になる。部屋が暗くなったことも照度センサーが検知してくれるので、例えば寝静まった部屋でマイルームロビが絶えず独り言を言っているなんてことはなさそうだ。

おでこにタッチセンサーを内蔵している

 何気ないおしゃべりを煩わしく感じさせない絶妙な距離感に、タカラトミーが蓄積してきたノウハウの重みを実感させられた。佐伯氏も「小さな子どもからシニア層のユーザーまで、幅広く楽しんでいただくためにはどんなコミュニケーションのスタイルが理想的なのか、オムニボットシリーズの開発から得てきた経験がマイルームロビに生きている」と語っている。

生活に役立つ使い方もできる

 マイルームロビには日付と曜日、時刻の情報をメモリーしておくことができる。設定はスマホなどを使わない極めてアナログな方法。つまり本体背面のボタンを押し、音声ガイドに従ってメニューを選択していく。「ごみ出しの日」「病院に行く日」「大事な用事がある日」など8種類のプリセットから用事を選択すると、前日の夜9時と当日の朝にマイルームロビが話しかけて教えてくれる。

後頭部の首の根元に3つのボタンが。本体設定(日付や曜日など)をマニュアルで設定するためのボタンだ

 さらにマイルームロビに収録されている約2000通りの会話パターンには、管理栄養士が監修してドコモ・ヘルスケアと一緒に制作した「健康系」のアドバイスも収録されている。「例えば部屋が乾燥してきたら『お水を飲んだ方がいいよ』と教えてくれたり、夜になると『お風呂場がじゅうぶんに暖まってからお風呂場に入ろうね』『利き手じゃない方の手でお箸を使ってご飯を食べると脳のトレーニングにも良いよ』といった感じに生活をちょっと良くしてくれるようなアドバイスをしてくれます」(高久氏)

おもちゃのブランドならではの遊び心

 高久氏は「タカラトミーはおもちゃの会社なので、ロボットを開発する際にもおもちゃの会社らしく、人とのふれ合いや遊び心を大切にしてきた」と振り返る。今では人工知能や音声認識の技術を生かし、エレクトロニクス機器もさまざまなことができるようになったが、よりシンプルに人と触れ合いながら和ませてくれるエンターテインメントロボットに最も必要なエッセンスを研ぎ澄ませた原型がマイルームロビだといえるのではないだろうか。人のコマンドに対して忠実に、正確な応答を返してくれることはロボットやAIアシスタントの出来栄えを評価する際の重要なバロメーターであることは間違いない。しかし、その価値とはまた別の方向へ、人と温かいコミュニケーションを交わせるタカラトミーのロボットは向かっていると筆者は感じた。

 佐伯氏は「ファミリー層に限らず、あらゆる世代の方にマイルームロビを楽しんもらいたい」と話している。「一人暮らしの方のルームメイトになったり、子どもがロボットと触れ合う最初のきっかけにもなってほしいですね。ここからお子様のプログラミングやメカトロニクスへの興味が喚起されたらとてもうれしいと思います」

 例えば会話の内容をオフィス用にカスタマイズした「マイオフィス・ロビ」のようなバリエーション商品があってもいいと思う。コミュニケーションが片側通行なので、ロビに「働き過ぎなんじゃないの?」「怒られても気にしない!」などといった調子でお小言をいわれたり、励ましの言葉をかけられたら自然に一呼吸入れられそうだ。またタカラトミーでは「リカちゃん」や「トランスフォーマー」を代表とする人気キャラクターも展開している。将来、より本格的なAIアシスタントを搭載したロボットを世に送り出す段階になったら、キャラクター性を強く持たせて、話す声や成長の仕方もユーザーがカスタマイズできるパーソナルロボットにもぜひチャレンジしてほしいと思う。これからの展開に要注目だ。

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