フィナンシャルリッチに聞く、金融商品の考え方フィナンシャルリッチ特集スタート(2/2 ページ)

» 2008年02月25日 11時00分 公開
[フィナンシャルリッチ特集取材班,Business Media 誠]
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フィナンシャルリッチの生命線は“情報”

 金融資産1億円以上を持つ人が対象のSNS「YUCASEE(ゆかし)を運営しているアブラハム・グループ・ホールディングスの煢ェ壮一郎社長は、これまで数多くのフィナンシャルリッチを見てきた。フィナンシャルリッチの共通点として「金融に関する情報収集に力を入れている」ことを煢ェ氏は挙げる。なぜフィナンシャルリッチは金融情報に興味を示すのか。それは昔ながらのお金持ちと現在のリッチ層に、違いがあるからだ。

 野村総合研究所の調査によると、金融資産1億円以上を持つ層のマーケットは2003年で125兆だったが、2005年には167兆円に膨らんでいる。その背景には「主に株価の上昇が考えられる。(フィナンシャルリッチは)株式や投信などを多く保有しているため、株価上昇によって金融資産を殖やしていった」(野村総研)と分析する。

日本における個人金融資産分布(2005年)、野村総合研究所調べを元にアブラハム社が作成

 相続財産に占める金融資産の割合は年々増加傾向にあり、1995年には22.0%だったが、2005年には38.2%に達している。「昔の日本のお金持ちは、財産として不動産を保有していたが、現在は金融資産を保有する傾向が強い」(野村総研)と指摘する。かつてのお金持ちは土地や家に働いてもらっていたが、現在はお金に働いてもらっているフィナンシャルリッチが増えているのだ。

 煢ェ氏はフィナンシャルリッチの特徴を、もう1つ挙げる。「単に金融情報を収集しているのではない。集めた情報を自分なりに分析して、“知恵”にしている。その知恵を武器にして、効率よく資産を殖やしている」。金融商品に関する(貴重な)情報がフィナンシャルリッチにとって肥やしとなり、それが大きな資産に育っていくようなものだろう。

まずは100万円を貯めてみよう

 金融資産1億円以上を保有するフィナンシャルリッチの話を聞いても「自分には縁遠い話」と思われる人もいるかもしれない。だが繰り返しになるが彼らも昔は、仕事熱心ではあるが普通の人間だったのだ。そして金融知識を得るために、情報のアンテナを張りめぐらせていたのだ。

 「1〜2年後に1億円の金融資産を持つ」ことは非現実的だ。しかし現在、預貯金がゼロの人であれば、まずは100万円貯めることで、金融情報の必要性を肌で感じるかもしれない。

 Business Media 誠では「フィナンシャルリッチから学ぶマネー術」と称して、どのように金融情報を学べばいいのかや、またお勧めの金融商品についても紹介していく。この特集が、金融情報を知恵に変え、安心できる生活を送るための一助けとなれば幸いだ。

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