最期の説教の前に、お釈迦さまは何と言ったのかクイズ王のすごい考え方(2/2 ページ)

» 2012年12月30日 00時00分 公開
[西沢泰生,Business Media 誠]
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答え:
「もう少し離れなさい。後ろの者たちが私の話を聞く邪魔になるから」

book 『壁を越えられないときに教えてくれる一流の人のすごい考え方』(アスコム)

 お釈迦さまはこう言いました。「お前たちが私を取り囲んでしまったら、後ろにいる者たちが私の教えを聞くことができない。彼らも私の話を聞きたいだろうし、私も彼らに話したい」と。

 そしてこう続けました。

 「おまえたちは、もっと自分をつつしむ事を学びなさい」

 こうしてお釈迦さまは、集まってきた他の者たちへの配慮を忘れた弟子たちを戒めた後、説教を始めたのだそうです。

 一流の人の身近にいるというだけで自分が偉くなったと勘違いする人や、自分の役職や学歴だけで周りに尊大な態度を取る人はとても醜い。いざ、それらを失ったときに突然、孤独な自分を思い知ることになります。

 えっ、「偉そうなことを言うお前はどうなんだ」ですって? 私はお釈迦さまを遠巻きに見ている一般人で、弟子たちがその周りを囲んでしまったら「うお〜い、どけどけ! おシャカさんが見えねぇぞー!」って心の中で叫ぶような小心者です。

 ちなみにお釈迦さまの死因は食中毒。手塚治虫の『ブッダ』では、お釈迦さまがヒョウタンツギを食べているシーンがありましたが、実際はどうやらキノコか何かを食べてあたったらしいです。

 吉田茂の懐刀(ふところがたな)で、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)から「従順ならざる唯一の日本人」と呼ばれた白洲次郎氏は、晩年、軽井沢ゴルフ倶楽部の運営に携わっていましたが、他人にゴルフシューズのヒモを結ばせていた政治家を見て「てめえには腕がねえのか!」と一喝。その一方で、キャディなどにはいつも丁寧に「ありがとう」と感謝の言葉を述べていたそうです。権力を嫌っていた彼は、偉そうな相手には厳しく、自分よりも下の立場の人間には礼を尽くしていたのですね。

 全国に100店以上のインテリアショップ「フランフラン」を展開する企業、株式会社バルスの創業者の高島郁夫氏は、自身の著書『遊ばない社員はいらない』の中でこう語っています。

 「仕事ができる人ほどいわゆるキャリアっぽいイメージがない。相手にスキを見せないように鎧をつけている感じもない。できない人ほど、できると思われるような体裁をつくっているような気がする」

 フランフランには堅苦しい格式高さや、24時間戦っている感じがありません。「流行に左右される業界で20年も親しまれてきた秘訣は、よく遊ぶこと。仕事は快楽であり、私が一番遊んでいます」という高島氏は、フランクな人間の方がヘタに偉そうな人間よりも頼もしく、パートナーシップを組みたくなるということをよく知っているのでしょう。

 本日の一言:「自分は偉くなったと思うのは、いつでもただの勘違い」

【出典】『今日もていねいに。』(松浦弥太郎著、PHP)、『「ハッタリ」力 30歳からでも間に合う人生再起動の教科書』(小林昌平/大石太郎/小峯隆生著、講談社)、『遊ばない社員はいらない』(高島郁夫著、ダイヤモンド社)

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