土肥:ライフネットは「保険料を半額にしたい」という思いから設立されていますよね。若い人からは「お! 半額だったら、ライフネットの保険に入ろうか」または「今は他社の保険に入っているけど、安くなるんだったらそちらにしよう!」といった声が多かったのではないでしょうか?
出口:ドイさんもそう思われますか? 実は、設立時の私もそう思っていました。ところが、いざビジネスを始めたところ、他社から乗り換えてくれたのは、全体の3分の1ほど。
「GNP商法」っていう言葉がありますよね。義理(G)・人情(N)・プレゼント(P)――この3つの要素で商品を販売することですが、生保業界ではこのGNPがものすごく強いことを痛感しました。
土肥:例えば、どんなことがあったのでしょうか?
出口:講演会でお話させていただいたあとに、出席していた人からTwitterで「ありがとうございました。申し込みさせていただきます」というコメントをもらいました。ところが翌日、その人から「出口さん、すいません。嫁の従兄弟が最近大手生保に入社したので、そちらに加入することになりました」という返事がありました。
土肥:義理・人情ですね。
出口:その気持ちも分かりますよね。従兄弟から頼まれたらお嫁さんとしては、断るのは難しい。保険料よりも従兄弟との人間関係のほうが大事――というのもよく理解できます。だから弊社の契約をみると、6〜7割が新規なんですよ。会社を設立したころは「保険料が半額だし、みんな乗り換えてくれるだろう」と思っていました。しかし実際は3割ほど。
土肥:むしろ乗り換えが7割くらいと思われていた?
出口:だって「同じモノが半分ほどの値段ですよ」と言われたら?
土肥:それは安いほうを買いますよね(すいません、ライフネットに加入していません)。
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