「ベーシックインカム」は人間を幸せにするのか小飼弾×松井博、どこへ行く? 帝国化していく企業(4)(5/5 ページ)

» 2013年06月28日 08時20分 公開
[野本響子,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3|4|5       

松井:そう思います。不運なときってあるからなあ、人生には。確かにベーシックインカム的な考え方はすごくいいし、再チャレンジできる社会は絶対必要です。

小飼:日本はその意味ではきつい場所かもしれません。あまり生物学的に正しくないですが、民族学的にあってるんだろうなと思うのは、失敗が「穢れ(けがれ)」になっちゃうこと。

松井:ですね。

小飼:最近読んだ『ワイ・コンビネーター』という本で、僕が一番感心したストーリーは主人公のほうではなくて、相棒のモリスのほうなんです。このモリスは悪い意味でのハッカーで、コンピュータ詐欺などで捕まったのですが、いまはMIT(マサチューセッツ工科大学)の教授をしています。こんなケースって、日本であり得ないでしょう。凶悪犯罪扱いではないとはいえ、立派な前科があるわけですよ。

松井:よくFBIがハッキングで捕まった人を雇うとか言うじゃないですか。あれって面白いですよね。

小飼:確かに。

松井:米国と比べると、日本社会は再チャレンジが難しいですよね。

つづく

プロフィール:

小飼弾(こがい・だん)

東京都出身。1991年12月米カリフォルニア州立大学バークレー校中退。その後帰国し、ネットワーク技術者として活躍。1996年ディーエイエヌを設立し、代表取締役に就任(現任)。1999年オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)の取締役に就任するも、2001年に同社取締役退任。著書に『小飼弾の「仕組み」進化論』(日本実業出版社)、『空気を読むな、本を読め。小飼弾の頭が強くなる読書法』(イースト・プレス)ほか。Twitterアカウントは「@dankogai」。

松井博(まつい・ひろし)

神奈川県出身。沖電気工業株式会社、アップルジャパン株式会社を経て、2002年に米国アップル本社の開発本部に移籍。iPodやマッキントッシュなどのハードウエア製品の品質保証部のシニアマネージャーとして勤務。2009年に同社退職。ブログ『まつひろのガレージライフ』が好評を博し、著書『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する』(アスキー新書)を出版。Twitterアカウントは「@Matsuhiro


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.