アップルやマクドナルド、グーグルなどのグローバル企業は、いまや落ち目になった国家を尻目にどんどん強大になっている。低税率国の子会社を使った租税回避を行っていたり、低賃金で労働者を搾取し、法律を自分の都合のいいように変えるなど、やりたい放題やっているように見える。
一方で、先進国の中間層は没落し、多くの人がグローバル化の名目のもと、時給で働く労働力として使われ始めている。民主主義はもはや機能していないのだろうか。人々が幸福になれる未来は来るのか。
書評を中心としたブログを運営しアルファブロガーとして知られる元技術者の小飼弾さんと、元アップル管理職の松井博さんが語り合った。全7回でお送りする。
→アップルやマクドナルドは、本当に“悪の帝国”なのか?(1)
→本記事、第7回
小飼:よく「日本人は日本人の言うことは聞かないけれど、外国人の言うことは聞く」と揶揄(やゆ)する人がいますよね。けれど、他人を通して自分を知るというのは正しいと思う。自分のことを自分で理解することは難しい。日本のことを知りたかったら一旦日本の外に出てみるしかない。本当に、それしかありません。
松井:それも旅行じゃなくて、住んでみることですね。異国で春夏秋冬を味わって、四苦八苦すると、初めて「日本のこの部分は良かった。ここはダメだった」と実感として分かるんです。だから政治家は海外に住むことを義務付けたほうがいい。
小飼:それがいいですよね。役人を留学させるのではなく、外に出すのは政治家のほうです。
松井:仮に経済産業省の役人などを外国に住まわせるなら、とことん大変な生活してもらう。「お前はマクドナルドで時給8ドルで働いてこい」といった感じで。そういう経験を1年ほど積むと、日本のいいところが見えてくるはず
小飼:サウジアラビアのアルワリード王子はコネもなく米国に住んで、住宅ローンを組んだりしていたそうです。
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