スバル、前車のブレーキライトを認識して減速する新型「アイサイト」赤信号も認識

» 2013年10月02日 17時30分 公開
[Business Media 誠]

 富士重工業は10月2日、先進運転支援システム「アイサイト(EyeSight)」の次世代版の開発を発表した。ステレオカメラシステムの全面刷新によりカラー画像化するなどして、衝突回避や被害軽減能力を向上する。次世代版は2014年に国内で販売する新型車から順次投入する。

 EyeSightは2眼カメラがとらえた映像を3D画像として処理し、検知した前方を走行中のクルマや歩行者との衝突を回避するために自動的にブレーキをかけたり、衝突してしまった場合の被害を軽減したりするためのシステムだ。非搭載車との差額が10万円程度ということもあり、搭載車の国内累計販売台数が15万台を超えるなど好評を博している。

EyeSightEyeSight 現行モデル「EyeSight(ver.2)」

 現行の「EyeSight(ver.2)」との大きな違いは、カメラ映像のカラー画像化。これにより前方を走行するクルマのブレーキランプの点灯や赤信号を認識できるようになる。特にブレーキランプの点灯検知機能を使うことで、従来から提供している「全車速追従機能付クルーズコントロール」での早めの減速が可能になった。

 また、走行車線両側の白線を認識することで新機能「レーンキープアシスト」を提供する。これは、クルーズコントロールを作動中かつ時速約65キロ以上で車線内中央を維持するようにステアリングの自動操舵を行う「車線中央維持」機能と、自動車専用道路などを時速約65キロ以上で走行中で車線からはみ出しそうになった場合に、従来の表示と警報音の逸脱警告に加えてステアリングを車線内側に向けるようにする「車線逸脱抑制」機能の2つを実現する。

 さらに、ステレオカメラの視野角および視認距離がそれぞれ約40%拡大している。これにより、衝突の可能性が高いにもかかわらず運転者の回避操作がない場合に自動的に急ブレーキをかける「プリクラッシュブレーキ」、衝突の危険性がある状況で運転者のブレーキ操作をアシストする「プリクラッシュブレーキアシスト」の作動領域がそれぞれ改善されている。

※プリクラッシュブレーキは従来の速度差約30キロまでが約50キロまでに、プリクラッシュブレーキアシストは同約50キロまでが約70キロまでとなった。

 このほかの新機能として、後退時のアクセルの踏み方が急だった場合や高い後退速度を検出した場合に、警報(表示と警告音)すると同時にエンジン出力を制限する「AT誤後進抑制制御」や、前方障害物との衝突可能性が高い場合にドライバーの衝突回避操舵をアシストする「危険回避アシスト」を追加する。

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