投資先を選別する際、過去の業績を振り返ることは欠かせません。ただし、数字の上がった下がったを何となくながめるだけでは意味がありません。大切なのは「コスト構造に変化があるか」です。
本来ならば、売上高が増えれば営業利益も同じ動きを示すはずです。しかし、コスト構造に望ましくない変化が起きている場合、図2のような推移を発見できます。
売上高が毎年増加しているにもかかわらず、営業利益が減少しているならば、その原因を探る必要があります。原材料価格の高騰や為替の影響なのか、それとも特殊要因が利益を押し下げているのか、それらへの対策として何が講じられているのかなどを、IR情報からつかむことで今後の見通しを判断します。
また、経常利益や当期純利益が不自然に増加しているときは、固定資産売却などが行われたことが考えられます。このような数字の動きを見つけたときは、その影響も考察することが賢明です。
営業CF(キャッシュフロー)とは、「事業による現金収支が黒字か」を示すものです。今後の成長が期待される新興企業ならばマイナスになることも珍しくありませんが、安定期にある企業が何期もマイナスを続けているならば、借入依存体質になることが懸念されます。
反対に、ここがプラスならば新たな工場や店舗を設立したり、機動的な戦略を採用したりしやすくなります。
つまり、営業CFがプラスならば事業が順調であり、今後の成長戦略にも期待を持てるのです。
もちろん、業種や業態、震災などの外部要因によってこの3つに該当しなくとも、優良な企業は存在します。しかし、初めて株式投資を行うのであれば、まずはこれらをチェックすることで投資候補先を選別することをおすすめします。
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