私どもがやっている住宅相談会には、今もマイホーム建築検討中のお客さまが来ています。この人たちは「消費税8%増税」でも動かなかったのですから、ゆっくりと土地や住宅会社を探しています。急がなかった理由の1つとして住宅ローン減税の拡充や、すまいの給付金の創設などの施策で、「消費税が上がってもそれほど負担は増えない」と判断したからだと思います。むしろ、ある程度年収がある人だと消費税が上がったこの4月以降に買った方が減税額が多くなるというケースすらあります。こういう人に「ではいつ買いますか?」と聞くと、ほとんどが「次の10%になるまでには……」と答えます。
さて、ではこれから家を建てる人にとってのベストタイミングはいつなのでしょう。
今後の住宅業界は「10%への消費増税があるかないか」で大きく動向が変わると思われます。今の予定では、消費増税10%は2015年10月からです。もしこの「10%増税」が先送りになれば、住宅業界は大きな波を迎えることなく、このまま穏やかに推移していくでしょう。
しかし、増税が決定すれば再び駆け込みの動きが始まるでしょう。「10%増税」をするかどうかは、これからの景気動向を見て決めることになっています。具体的には、今年の11月ごろに公表される2014年7月〜9月(第2四半期)の国内総生産(GDP)が伸びているかどうか次第です。目安は、実質成長率で2%程度ではないかと言われています。
さて、上半期に打った景気対策がうまくいき、今年の11月頃に「来年の10月には10%に増税します」という発表がなされれば、現在検討中のお客様は一気に動き始めるでしょう。
前回と同様、増税の半年前の2015年3月末までに契約すれば「消費税8%」のままでいけることになりますから、2014年11月頃〜2015年3月末までのおよそ半年間で「駆け込み」が起きる可能性が大です。そうなると、また職人不足や資材価格の高騰などの混乱が起きるかもしれません。
住宅業界は消費税が8%に上がった今現在、すでに消費増税10%に備えています。業界の雰囲気としては穏やかなので、家を買うにはいい環境が整っていると思います。とくに営業現場は少しお客様が減っているので、打ち合わせにも丁寧に応対してくれるはずです。
8%増税の駆け込みの反動で、4〜6月(第一四半期)は消費は少し落ち込むかもしれませんが、政府は大規模な景気対策もしているので、それほど景気のムードは悪くならないかもしれません。日銀も大規模な金融緩和を継続しているので、いまだ金利も低いままです。
まとめるとこんなかんじですが、これらの好条件が「10%増税」が発表された後にはどうなるか分かりません。今、家の購入を検討している人たちはそれが分かっているので「ゆっくり考えています」と言いながらも、実はかなり真剣に検討しています。住宅業界ではひそかに次の駆け込みがもう始まっているのです。(川瀬太志)
※この記事は、誠ブログの『消費増税! 住宅業界ではもう次の駆け込みが始まっている?』 〜消費増税と家の買い時、さていつが良いのでしょうか?〜より転載、編集しています。
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