人と人とを引き合わせることで成り立っているマッチングモデルは、仕事をする上で必要な人脈に似ていると言えます。
人脈は勝手に増えていくものではなく、なんらかの形で人から紹介されて増えていくものです。会社で働いていると一見自然に人脈が増えていくようにも見えますが、それも会社という組織に入ることで紹介を受けているのです。
紹介されたい人達がいて、それぞれを紹介する人が存在する。マッチングモデルと似たような構図が、人脈にはあるのです。
マッチングモデルでは紹介することで手数料を受け取っていましたが、人脈の場合のメリットは何かというと、もちろん、ビジネス上メリットが出ることでしょう。また、今回紹介したことで、次回は逆に紹介してもらえるということも対価と言えます。紹介してもらえることで人脈を拡大でき、紹介できる人もさらに増えていきます。
このように人脈を広げることでメリットを受けることは多くなります。
大きな会社に所属していると、あまり人脈を意識することははないかもしれません。しかし、人脈があれば他社の例を知ったり真似たりすることで、仕事を改善させていくことができます。
個人で仕事をしている人にとっては、人脈はさらに重要です。仕事をもらうという意味だけでなく、例えば経費を処理するにしても、ホームページのトラブルに対処したりするにも、やり方が分からなければ質問する相手を探すことから始まります。相談する相手のすべてが社外になるため、必要なときに頼りにできる人脈が重要になるのです。
また、転職が一般的になることによって、社内だけでなく社外での人脈が重要になってきます。社外に人脈があれば、転職先を探す助けになるかもしれません。
今までのように1社に勤め続けることが少なくなる社会では、幅広い人脈作りが求められるのです。これからは、人脈を作る能力もビジネスのスキルとして求められていくでしょう。
生みだす:両側の顧客をうまくマネージすることが重要
生かす:マッチング力が自分の価値を底上げする
(次回は、「冠婚葬祭モデル」について)
細谷功(ほそや・いさお)
ビジネスコンサルタント/株式会社クニエ コンサルティングフェロー。東京大学工学部卒業。
東芝を経てアーンスト&ヤング・コンサルティングに入社。製品開発、マーケティング、営業、生産等の領域の戦略策定、業務改革プランの策定・実行・定着化、プロジェクト管理を手がける。著書に『いま、すぐはじめる地頭力』などがある。
井上和幸(いのうえ・かずゆき)
株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO。ドラッカー学会会員。1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。
現在は、人材コンサルタントとして、企業の経営組織コンサルティング、経営人材採用支援・転職支援、経営人材育成プログラムを提供。
西本伸行(にしもと・のぶゆき)
ビジネスコンサルタント。元株式会社クニエ シニアマネージャー。
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