客が本当に望むニーズを的確にとらえ、具体的に提案する。営業の基本だが、それが難しいのはビジネスパーソンであればご存じの通りだ。
WOW!TOWN大宮の店舗は、ビッグデータの活用と「テーマパーク化」の取り組みにより、再来店率をオープン時(2013年6月)の約12%から約23%(2014年4月時点)に高めた。同じスタイルで展開するWOW!TOWN幕張(2012年7月オープン)のデータ、顧客記録約4万件、顧客が取得した車両情報約24万件(2014年4月時点)も含め、これらを総合的に分析して顧客営業に生かすスキームも本格的に開始した。再来店により、50%がより具体的な商談へ、うち30%が成約につながる結果も、ビッグデータの解析によってはじめて明確に見えた。
「なにより弊社の営業スタッフが、お客様のニーズをしっかり把握できるようになりました。初期のアンケート結果も、解析した結果の違いの程度によってどうするか。お客様の需要を予測し、この先の営業方針を決めるのにビッグデータを使用します。お客様の満足度を高められれば、結果として再来店率が高められます。ビッグデータを活用した的確な提案、テーマパーク化と快適な店舗空間作り、これらはすべて再来店率を高めるのに寄与しています」(菰方氏)
客は「より自身に合ったクルマが見つかる」こと。営業担当は客の真のニーズを知ることで、なにより「営業力を向上」させる力につながる。「何となく層」の潜在にある要望をきちんと理解できれば、顧客満足度の向上につながり、ひいては再来店率も、そして成約率も高まる──ここがガリバーが推進する新たな中古車販売店計画の狙いだ。
確かに客一人あたりの営業原価が他店舗より多く発生する課題はある。ただ、ビッグデータの活用により「客の深層ニーズを“予測”できる」力を得たことが何よりの収穫と菰方氏は述べる。
営業スタッフ個人の力──経験や勘に頼っていた手法にビッグデータを加えると、顧客サービスが、ひいては全社、あるいは部署、チーム全体の営業力が大きく変わる。ビッグデータへの投資にどんな意味があるか、他業種でもここは大きなヒントになるはずだ。
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