娘と父のマジトーク(その7)「男子はいいよね、ふざけあっているうちに仲良くなれて」:父と娘の週末トーク(4/4 ページ)
中学生の娘と本気で話し合うシリーズ、今回のテーマは「友情」です。中学入学時、小学校の友達がほとんどいなかったという娘はどうやって友達を増やしたのか、そして男親にとってどうしても気になる「男友達はどうなってるんだ」あたりについて話し合ってみました。
大人になると、親友を作るのは難しい
父: 大人になるとさ、親友ってできにくくなるから、学生時代の友達を大切にするのがいいよ。
娘: そーゆーもん?
父: うん、真の友人関係が築けるのは学生時代まで。社会人になったら、知人は増えるけど、友達はできない。賭けてもいいけど、どの大人でも同じこと言うよ。
娘: 知人と友達の違いって何だろう?
父: んー、例えばだけど、友達同士で敬語は使わないよね?
娘: あ! 確かにそうだね。
父: (ヒソヒソ声で)例えば、このカフェにも、仲よさそうにしゃべってる大人が何組もいるけど、大人って、ほぼ敬語で会話してない?
娘: (同じくヒソヒソ声で)言われてみれば、ほとんどの大人の会話って敬語だよね……。
父: でしょ?表面上は、仲睦まじくおしゃべりしてても、「〜〜ですか?」、「〜〜ですよね」みたいな「ですます調」の丁寧な言葉を使いあってたら、仲のいい知人ではあるけど、なんでも言い合える友達ではない、んじゃないかな。
娘: 語尾でだいたい見分けがついちゃうね。
父: ヘンな表現だけど、敬語で話し合っている大人を見たら、「あぁ、本当の友人同士ではないんだな」って言えてしまう、と。
娘: 大人の会話って、ほとんどの場合、敬語が混じってるもんだよね。考えたこともなかったな……。
父: 大人になっちゃうと、計算して付き合う相手を選んだり、選ばれたりしちゃうのよ。友達のフリをしなきゃいけないシチュエーションってのもあるんでね(笑)。
娘: ……(無言)。
父: 「ぜひ今度、食事に行きましょう!」って心にもないことを言うし、その気がなくても、「近くにお越しになったら、我が家にお立ち寄りくださいね」って満面の笑みで言うしね。相手も、来る気ゼロでも「ぜったい行きます!」って言ってくれるし。あ、べつに嫌いとかじゃないよ。相手を不快にさせない大人のマナーね。
娘: なんか……中学生には重たいわ。あまり聞きたくない(苦笑)。
父: だからこそ、気を遣わずに話せる友達は大切ってことよ。
娘: そっかぁ。でもさ、学生時代の友達は、大人になっていくうちに、離れ離れになっちゃうよ?
父: 距離は関係ないでしょ。現に結婚式のために、フィラデルフィアまで飛ぶことだってあるんだから。サオリの今の親友とだって、関係は大人になっても続いていくもんさ。
娘: ふーむ、そうか……。私がオバサンになっても、みんなと仲良しでい続けられたらいいな。
今回は、まるで父親が娘の人間関係を掌握するようなトークになってしまいましたが、本人は喜んで交友関係を話してくれたので、ほっこりした雰囲気の中で話せました。我が子がどんな人間関係を築いているのか、誰と仲がいいのかというのは、親としてざっくりでも知っておくと良いのではないでしょうか。なにかトラブルを抱えたとき、たいていは人間関係が起因しているように思います。我が子の異変を察知してあげられるという意味でも、子供の交友関係が話せたということは、有意義でした。
幸か不幸か、男子はさほど意識していないようで、友人関係を作るまでにはなってないようです。それにしても、女子からは男子は幼く見えるものなんですね。確かに、自分の当時の様子を思い返してみても、プロレス技をかけあったり、マンガの話題で盛り上がったり、何も考えずに生きていました。
そうそう、これを書いているたった今、恥ずかしい過去を思い出しました。中学一年生のとき、当時流行っていた『ブラックエンジェルス』という少年マンガの登場人物になりきって、キャラの名前で呼び合うごっこをしていました。「ねえねえ、今日からさ、オレのこと飛鳥(アスカ)って呼んでよ!」「え〜〜、お前は飛鳥ってキャラじゃねーよ」「頼むよ〜飛鳥がいいよぉ〜〜お願い、飛鳥って呼んで〜」って、やってましたわ。なぜにそんなに飛鳥にこだわっていたんだろう・・・。
『ブラック・エンジェルズ』は、1981〜1985年に集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載されていたマンガ。法で裁かれない悪を陰で処刑していく、現代版「必殺仕事人」のようなハードな内容で人気を博した。現在は実写版が制作され、DVDとして販売されている
さすがに、中学生時代のブラックエンジェルスごっこの話は、娘には伝えませんでした。ただでさえ、私の父としての威厳は風前の灯火なのに、そんなことを話した日には、完全に消し飛ばされてしまうからです。
著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)
1989年、高校卒業と同時に、極寒のアイオワ州の全寮制高校に入学。唯一の日本人として七転八倒で英語を学び、1990年にCovenant College(米・Georgia州)入学。エチオピア、インド、ウガンダ、ガーナ、南アフリカ、ペルー、韓国の留学生らと共同生活を送りつつ、心理学、生物学、社会学を専攻。1994年に卒業。
白い犬で有名な某携帯電話キャリアに新卒入社し、マーケティングと営業に携わる。2000年にネット業界に転身。旅の窓口(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに入社。マーケティング、営業を経て、現在はコミュニティ・マネージャーを務める。三度の飯より、サッカーと自転車が好き。
■誠での過去記事
http://bizmakoto.jp/bizid/bizblog_index.html
■Six Apart ブログも書いてます
http://blog.sixapart.jp/nakayama-1/
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