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新製品から変わり種まで――CESで見たモバイルデバイス約40機種を一挙紹介2013 International CES(3/3 ページ)

1月8日~11日に開催されたCESでは、さまざまなスマートフォンやタブレットが展示された。海外の展示会ということで、日本ではなかなか見られないデバイスも多数見られた。注目の新製品から変わり種まで、会場で気になったモバイル機器を一挙に紹介しよう。

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100ドル以下の製品も――安価なAndroidタブレット

 CESでは、メイン会場から離れたところにあるもう1つの会場に、小規模なブースを構えているメーカーも多い。その中でよく見かけたのがスマホケースなどの周辺機器やAndroidタブレットを展示するメーカー。タブレットは中国や台湾などアジアのメーカー(他社ブランドの製品を手がけるOEMも含む)が手がけたものが多く、中には100ドル未満の安価な製品も見られた。

 中国のTomStarというメーカーの7インチタブレット「Tabcat 7B(外部リンク)」は45ドルだという。シングルコア、ワイドVGAディスプレイ、4Gバイトメモリ(ROM)、3000mAhバッテリーとスペックは標準的だが、この価格は安いだろう。ちなみに、同じくTomStar製のデュアルコアCPU搭載の9.7インチディスプレイ搭載、3G通信にも対応する「TM-971」は130ドル。また、台湾メーカーの「T-Pad」と呼ばれる7インチタブレットの、シングルコアCPU搭載バージョンの価格は99ドルだという(デュアルコアCPUバージョンは149ドル)。展示されていたタブレットの画面サイズは7インチ、8インチ、10インチクラスに大別されるが、どのブースの説明員も「7~8インチの製品が特に人気だ」と話していた。「iPad miniが7.9インチなので、8インチの方が人気だ」と話している人もいた。

TomStarの「Tabcat 7B」(写真=左)と「TM-971」(写真=中、右)
「T-Pad」と呼ばれる7インチタブレット
香港や中国などで展開しているOEMメーカー、Gajah Internationalの7インチ(1024×600ピクセル)タブレット。OSはAndroid 4.1。丸みを帯びていて持ちやすい。ボディカラーもユニークだ
同じくGajah Internationalの8インチ(1024×768ピクセル)タブレット。デュアルコアCPUを搭載。OSはAndroid 4.0
中国のAFTECHというメーカーのタブレット。9.7インチディスプレイ、クアッドコアCPU、8Gバイトメモリ、Android 4.1、9.9ミリのスリムボディなどを特徴とする
米国のWorryFree Gadgetsが展示していた「Zeepad」シリーズ。7インチ、9インチ、9.7インチ、10.1インチの製品をラインアップする。7インチタブレットはAmazonで60~70ドルほどで販売されている

カメラ付きAndroidや15年使えるケータイ――変わり種デバイス

 「カメラを搭載したAndroid」というより「Androidを搭載したカメラ」といえるタイプの製品も登場している。1つがSamsung電子の「GALAXY Camera」だ。1/2.3型の16メガピクセル裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、最大21倍の光学ズームも可能。35ミリ換算で23ミリという広角レンズも特長だ。ディスプレイは4.77インチのHD液晶(720×1280ピクセル)を備え、LTE通信もサポートする。カメラ側を見るとデジカメそのものといった感じで、重さは通常のスマートフォンの2倍ほどの305グラムにも及ぶ。スマートフォンとして片手で使い続けるのは辛そうだが、ガジェット好きに受けそうなアイテムだ。OSはAndroid 4.1。日本での発売は未定。

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Android端末というよりはデジカメそのものと言った方がよさそうな「GALAXY Camera」
裏(表?)側のディスプレイからは通常のAndroid端末として操作できる(写真=左)。カメラのインタフェースも独特だ(写真=右)

 もう1つが、Polaroidが展示していた、世界初のレンズ交換式Androidカメラ「iM1836」。18.1メガピクセルカメラを備える本機には10~30ミリF3~5.6のズームレンズが同梱される。OSはAndroid 4.1、ディスプレイは3.5インチ液晶。3GやLTE通信はサポートしない。価格は399ドル。

Polaroidのレンズ交換式Androidカメラ

 NVIDIAブースでは、CESで発表した最新チップ「Tegra 4」を搭載したゲーム機型のAndroidデバイス「Project SHIELD」を参考展示していたが、ケース内に展示するのみで、来場者が操作することはできなかった。


「Project SHIELD」

 ユビキタスエンターテインメントは、Androidベースの独自OSを採用した新感覚のタブレット「enchantMOON」を展示。専用のデジタイザーペンを用意し、メモやブラウザなどに特化しているのが特徴。ディスプレイを点灯させるといきなりメモ用の画面が現れ、メモを書き込んだ周りを囲むと現れるサブメニューから、ノートに保存したり、ブラウザで調べたり、ハイパーテキストでノート同士をひも付けたりできる。

約8インチのディスプレイを備えた「enchantMOON」(写真=左)。丸で囲って操作する独自のインタフェースを採用(写真=右)

 毎年、革新的なデザインや技術を取り入れた製品に贈られる「CES Innovations Awards」。2013年にもこのアワードを受けた製品が展示されていたので、モバイル関連で気になったものを2つ紹介しよう。

 「MiFi 2」は、米Novatel WirelessがAT&T向けに供給しているモバイルWi-Fiルーターの最新モデル。ルーターとしては大きなタッチパネル対応ディスプレイを備えており、ここからデータの使用量チェック、接続機器の管理、設定の変更などが可能。LTEエリアで最大10時間の連続通信が可能。ルーターのディスプレイは簡易的なものが多いが、MiFi 2はタッチパネルから細かな設定ができるのが新しい。


「MiFi 2」

 単三電池1本で(未使用時に)約15年バッテリーが持つというストレート型のケータイ「SpareOne Emergency Phone」もユニークな製品だ。製品名のとおり、災害時など非常用のスペアケータイとしての利用が想定されている。サイズは60(幅)×120(高さ)×13(厚さ)ミリ、重さは75グラム。連続通話時間は10時間。価格は99.99ドル。GSMネットワークしかサポートしていないので、残念ながら日本では使用できない。

「SpareOne Emergency Phone」

 スマートフォンでは「PadFone 2」「GALAXY S III」「Optimus G」、タブレットでは「Xperia Tablet S」「GALAXY Note 10.1」、Polaroidのキッズタブレットなどが同アワードを受賞した。なお、受賞製品の詳細はCESのWebサイト(外部リンク)に公開されている。

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