第1回 spモードに申し込んでみた――iモードとmopera Uは継続すべき?:「spモード」の“ここ”が知りたい
ドコモのスマートフォン向けISP「spモード」の提供が開始された。本コーナーではspモードで「何ができるのか」を紹介する。初回はiモード、mopera U、iモード.netとの関係を中心に、spモードの申し込み方法をチェックした。
9月1日からNTTドコモのスマートフォン向けISPサービス「spモード」が開始された。spモードでは、スマートフォンからインターネット接続ができ、「@docomo.ne.jp」のアドレスを使ってメールを送受信できるのが大きな特徴。このほか、スマートフォンで購入したコンテンツ代を毎月のケータイ代と一緒に支払える決済サービスや、オプションサービスとして「メールウイルスチェック」「spモードフィルタ」「spモードフィルタカスタマイズ」も提供される。
ユーザーにとって特に関心のあるサービスは「spモードメール」だろう。iモードメールのアドレスをスマートフォンでも使えることで、携帯メールの利便性がぐっと増す。iモードメールを利用できないことが、スマートフォン購入の大きな障壁になっていた人にとっては朗報だろう。一方で、spモードメールの操作性や仕様は、実際に使わないと分からないことが多い。そこで本コーナーでは、メールサービスを中心に、spモードの基本情報をはじめ、「できること」「できないこと」をレビューしていきたい。
質問:spモードの対応機種は?
2010年9月1日現在、spモードに対応している機種は「Xperia」「LYNX SH-10B」「dynapocket T-01B」「SC-01B」「T-01A」の5機種。残念ながら、「HT-03A」は対応していない。
質問:利用料金はいくら?
spモードの利用料金は月額315円だが、複数のISPを契約した場合は「ISPセット割」が適用される。例えばspモードとiモード(月額315円)、またはspモードとmopera Uの「Uライトプラン」(月額315円)を契約した場合、月額料金の合計額は315円に割り引きされる。つまりspモードのみを契約しても、spモードとiモード(またはUライトプラン)を契約しても、月額料金は315円で変わらない。
spモード、iモード、Uライトプランの3つを契約した場合、月額料金はそれぞれ157.5円で、計472.5円となる。なお、9月1日から12月31日までの期間にspモードを新規で契約した場合、契約日から当月までと5カ月間、spモードの月額料金は無料になる。
質問:どうやって申し込むのか
spモードの利用には申し込みが必要で、全国のドコモのショップや量販店、一般販売店、ドコモ インフォメーションセンター(ケータイからは151、一般電話からは0120-800-000)、ドコモ・スマートフォン・ケア(0120-045-360)で申し込める。なお、量販店と一般販売店でspモードを申し込めるのは、端末を購入した場合のみなので注意したい。
筆者は9月1日の正午ごろに、都内のドコモショップで申し込んだ。筆者の使用機種はXperia。iモード端末にSIMを入れ替えて使うことがあるので、iモードとUライトプランを契約していた。iモードのサービスは今後も使いたいので、Uライトプランを解約してiモードを継続させる形でspモードに契約した。その際、iモードとspモードを契約する場合の注意事項が書かれた紙を渡された。用紙には、spモード対応機種ではiモードは利用できないこと、spモードメールの利用にはアプリのダウンロードが必要であることなどが明記されていた。
申し込み手続きは10分程度で終了し、spモードの「ご利用ガイドブック」と、spモードモードの初期設定が記載されたXperiaの「START UP GUIDE」が渡された。この2冊があれば、少なくともspモードメールの利用開始で困ることはなさそう。これらの資料が欲しければ、ショップで申し込んだ方が手間が省けてよさそうだ。ちなみに、spモードのガイドブックはドコモのWebサイト(外部リンク)からダウンロードすることもできる。
筆者が訪れたドコモショップでは、午前中だけで30人ほどがspモードに申し込んだそうだ。正午時点ではそれほど混んでおらず、待ち時間も10分ほどだったが、日中から夕方にかけて混雑したドコモショップもあったようだ。
質問:「mopera U」は継続すべきか
spモード提供以前にスマートフォンでインターネットを利用するには、mopera Uの「Uライトプラン」(月額315円)か「Uスタンダードプラン」(月額525円)に契約する必要があった。spモードを契約する場合、これらのプランは継続した方がいいのだろうか。
Uライトプランは、スマートフォンのインターネット接続に特化したシンプルなプラン。spモードと併用するメリットはほとんどないので、解約しても問題ないだろう。一方、Uスタンダードプランでは「@mopera.net」のメールアドレスを取得したり、ドコモの公衆無線LANサービス(Mzone)を割安料金(月額840円→月額315円)で利用したりできる。詳細はドコモのWebサイト(外部リンク)を参照。こうしたオプションサービスが必要なユーザーは、mopera Uは継続した方がいいだろう。
質問:「iモード」は継続すべきか
iモード端末からスマートフォンに乗り換えた場合、iモード契約を継続していれば、SIMカードを元のiモード端末に入れ替えることで、公式サイトやiコンシェルなどのiモードサービスを利用できる。spモード契約後もスマートフォンではiモードの各種サービスは利用できないので、同サービスを使いたい人は、解約しない方がいい。
ただ、これまでiモードメールを使うためだけにiモード契約を継続していた場合、iモードを解約しても問題はない。spモードではiモードメールで使っていた「@docomo.ne.jp」のアドレスを引き継ぐこともできるからだ。
iモードとspモードの両方を契約する場合、「@docomo.ne.jp」のアドレス2つを取得でき、スマートフォンで従来のドコモアドレスに切り替えて使うことも可能だ。また、スマートフォンで新しいドコモアドレスのメールを使い、SIMを移したiモード端末で、従来のドコモアドレスのメールを使うといった活用もできる。
なお、iモードを解約してからSIMカードをiモード端末に移しても、iモード端末ではメールの送受信やブラウジングなどのパケット通信はできなくなる(電話はできる)。
質問:「iモード.net」は解約しても問題ない?
「iモード.net」はWebサイトやアプリを利用して、iモードメールをチェックできるサービス。PCサイトでiモードメールを確認できるのはspモードにはない特長だが、スマートフォンからも従来の「@docomo.ne.jp」のアドレスは利用できるので、多くの人にとって、spモードとiモード.netを同時に契約する意味はないだろう。iモード.netは月額210円の有料サービスということもあり、ショップでは解約することを勧められた。
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