写真で解説する「Windows 7ケータイ F-07C」(機能編):どこまで“F”ケータイなの?
「Windows 7」という強力な武器を持つF-07Cも、普段はドコモのケータイとして使うことが多くなる。機能偏ではWindows 7とケータイという2つのモードで使える機能を比較してみた。
Windows 7が起動するNTTドコモの富士通製端末「F-07C」には、約500万画素のCMOSカメラ、無線LAN、Bluetooth、おサイフケータイ、赤外線通信、GPSなど、さまざまな機能が詰め込まれている。ただし、すべてがケータイモードとWindows 7モードの双方で使えるわけではない。
外観編でも取り上げたが、FOMAのパケット通信機能はWindows 7モードでも利用可能だ。ただし、無線LANはWindows 7モードでしか使えないので、ケータイモードでWi-Fiを使うことはできない。逆に、Bluetoothと赤外線通信はケータイモードでしか使えないなど、かなり割り切って機能を搭載しているのが分かる。
機能 | ケータイモード | Windows 7モード |
---|---|---|
HSDPA/HSUPA | ○ | ○ |
タッチパネル操作 | ○ | ○ |
アウトカメラ | ○ | × |
インカメラ | ○ | △(約17万画素) |
赤外線通信 | ○ | × |
無線LAN | × | ○ |
Bluetooth | ○ | × |
GPS | ○ | × |
こうした微妙な住み分けは通信機能以外にもあり、約500万画素のアウトカメラは残念ながらケータイモードのみでしか使えない。インカメラはWindows 7モードでもビデオチャットなどで利用できるが、解像度がケータイモードの半分以下の約17万画素に減ってしまう。GPSもケータイモードのみの利用となる。
また、Windows 7用のストレージとケータイ用の搭載メモリもそれぞれ独立していて、32GバイトのSSDはケータイモードからはアクセスができない。またF-07Cは最大32Gバイトまで対応するmicroSDスロットを備えているが、この外部メモリの取り扱いや、Windows 7モード時のおサイフケータイ機能など、試作機では試せなかった部分は、製品版の登場を待ってあらためてレビューしてみたい。
さて、Windows 7モードの詳細については別の記事を参照していただくとして、ケータイとしてのF-07Cに注目してみよう。なお、端末のバッテリーが目盛り1まで減ると、Windows 7モードには移行しなくなる。またWindows 7モード利用中に同じレベルまでバッテリーが減った場合は、強制的にケータイモードへ切り替わる。
上記のとおりケータイモードでは無線LANが使えないうえ、ワンセグも非搭載だが、おサイフケータイと緊急地震速報、赤外線通信、WORLD WING(3G+CDMA)、テレビ電話、2in1、ドコモ地図ナビ、iチャネル、iコンシェル(オートGPS)、マイエリア、iBobymo、ケータイデータお預かりサービスなど、ドコモの主要なサービスには対応している。
操作はフルタッチ+横スライドのQWERTYキーで行い、横画面への自動切り替えも可能だ。タッチ画面の構成は富士通製“F”ケータイのそれであり、大きさ以外に目立った違いは感じられない。大柄なボディをタッチ操作するため、ほかのタッチパネル端末よりもむしろ使いやすいと感じることもあった。
しかし、タッチパネルのユーザーインタフェースはスマートフォンのようなサクサク感とは少し違うため、スマートフォンでもフィーチャーフォンでもないどっちつかずな面は否めない。もう1つのUIであるQWERTYキーは主にWindow 7モード用だが、メール作成時やiモードの文字入力時など、ケータイモードでも使える。そのため、シャープの「インターネットマシン」シリーズのような端末を望んでいた人には一考の価値があるかもしれない。
富士通端末でおなじみのスーパーはっきりボイス3や歩数計/脈拍計、ブルーレイディスクレコーダーとの連携機能も備えた。PRIMEシリーズのようなハイエンドモデルというわけではないが、ミドルクラス並のスペックを備えている。PRIMEシリーズが持つPC的なサービスは“本職”のWindows 7モードにまかせたことで、ケータイとしてはスタンダードな仕上がりになっているという印象をうけた。
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