国内市場に「MOTOROLA RAZR」が“再参入” 狙いはモトローラのブランド浸透:スリム×ハード×クレバー(2/2 ページ)
モトローラ・モビリティがauのAndroidスマートフォン「MOTOROLA RAZR IS12M」の製品説明会を開催。ブランド名にふさわしいスリムさだけでなく、ハードさとクレバーさも兼ね備えた“RAZR”の魅力を紹介した。
ソフト面も個性的
以上のような“スリムだけどパワフルでハード”という特色に加えて、“クレバー”を体現するのが「smart action」という新機能。スマートフォンを使っていると、1日に何度も設定を変えることがある。例えば、通勤で電車に乗る場合は着信音をマナーモードにしたり、バッテリー残量が少なくなるとWi-FiやBluetooth、GPSをオフにしたりする。こうした設定の切り替えは、ユーザーの使い方によってある程度条件が決まってくる。
smart actionは、端末の状態や使われ方を分析して、お勧めの設定をユーザーに提案する機能。バッテリー残量に応じて内蔵デバイスのオンオフを設定するなど、省電力のために活用すれば、スペックの連続待受時間からさらに3割ほど待受時間を延ばすことができるという。
そのほかにも、GPSで現在地を判断して、自宅や会社でふさわしい設定を自動で反映させることもできる。設定を切り替える条件(トリガー)は、時間帯やイヤフォンが装着された場合などさまざまで、条件と設定内容を自分自身で自由に組み合わせて、端末の設定切り替えにかかる手間を大きく減らすことが可能だ。
さらにMOTOROLA RAZR IS12Mには、自宅PC内にネット経由でリモートアクセスできる「Motocast」、HDMI入力のあるテレビやディスプレイに内蔵のLinuxベースのデスクトップ環境を表示できる「webtop」、SNSを一元管理するソーシャルメディア用プラットフォーム「MOTOBLUR」など、スマートフォンの活用シーンを広げてくれるような独創的な機能が盛り込まれている。
また、海外メーカー製らしく、CDMA/GSM/UMTS/GPRSと幅広い通信方式にも対応した。同社のMOTOROLA PHOTONも海外モデルではサポートする通信方式が豊富だったが、auが販売するISW11MではWiMAXとCDMAのみに制限されていた。国内の同社スマホでは、MOTOROLA RAZRでようやく、グローバルモデルらしい充実した通信機能を実現している。ただし、auのWIN HIGH-SPEEDはサポートしていない。
これについて同社モバイルデバイス シニアプロダクトマーケッティングマネージャーの宮川典昌氏は、「KDDI側から対応の要望はあったが、今回は少しでも早い国内投入を目指したため、サポートを見送った」という。
また、グローバルらしくおサイフケータイやワンセグ、赤外線などのガラパゴス機能にも対応していない。高橋氏は「できるだけ早く、近い将来におサイフケータイに対応した端末を日本に投入したい。そうした考えはある」とするにとどめた。
Wi-FiタブレットのXOOM、WiMAX対応のPHOTON、そして今回のRAZRと、数は少ないながらも、老舗端末メーカーらしい個性的なAndroid機を国内で展開するモトローラ。高橋氏は最後に、「ラインアップについてはさまざまご要望やリクエストをいただいている。しかし、まずは日本にモトローラというブランドをしっかりと浸透させたい。大きな目標を掲げることよりも、着実に歩むことが重要だと思う」と延べ、国内への“再参入”は慎重に進める意向を示した。
関連キーワード
RAZR | スマートフォン | Motorola(モトローラ) | MOTOROLA RAZR IS12M | スリム | 金属ボディ | Android | au | MOTOROLA PHOTON ISW11M | Motorola Photon | ブランド戦略 | 日本 | KDDI | アメリカ | 携帯電話 | XOOM | 海外
関連記事
- 写真で解説する「MOTOROLA RAZR IS12M」
あの“MOTORAZR”がAndroidになってカムバック――「MOTOROLA RAZR IS12M」は厚さ7.1ミリのボディにデュアルコアCPUを搭載したグローバルモデル。オススメの端末設定をユーザーに“提案”するという「smart action」を搭載している。 - スマホが「ノートPC」にも変身:PC利用者にちょっとうれしい、モトローラ製スマホの「PC連携」機能いくつか
auの春モデル新スマートフォン、「MOTOROLA RAZR(IS12M)」が登場。あのRAZRブランドを用いた極薄ボディに加え、「ノートPCに変身」「5GHz帯対応」「無料自宅クラウドストレージ化機能」など、現PC利用者が活用したい機能を多く備える。 - “RAZR”がAndroidになって復活――厚さ7.1ミリの「MOTOROLA RAZR IS12M」
モトローラ製の「MOTOROLA RAZR IS12M」は、日本でも人気を得た薄型ケータイ“RAZR”の名を持つAndroidスマートフォン。最厚部7.1ミリのスリムボディに、モトローラの独自機能を詰め込んだ。 - WiMAX搭載GALAXY S II、新型Xperia、テンキー付きINFOBAR――KDDIがau春モデルを発表
KDDIがau春モデル5機種を発表。「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」「Optimus X IS11LG」「Xperia acro HD IS12S」「MOTOROLA RAZR IS12M」に加え、テンキー付き「INFOBAR C01」も登場した。 - +WiMAX対応:モトローラのグローバルモデルがauに登場――「MOTOROLA PHOTON ISW11M」
モトローラのAndroidスマートフォン「MOTOROLA PHOTON ISW11M」は、デュアルコアCPUを搭載したWiMAX対応のグローバルモデル。高速通信と高い処理能力を生かし、「Webtop」と呼ばれる独自のデスクトップ環境も備えた。auのキャリアメール、緊急地震速報にも対応する。 - 米携帯電話販売台数シェア、iPhone 3Gがトップに――NPD調べ
12期連続で首位にあったMotorola RAZRをiPhone 3Gが抜いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.