Google、Android マーケットのセキュリティ対策システム「Bouncer」を発表
Googleが、Androidにおける新たなセキュリティシステム「Bouncer」を発表。同システムにより、マルウェアの疑いのあるアプリダウンロード数が40%減ったという。
Googleが2月6日、Androidのセキュリティを強化するシステム「Bouncer(コードネーム)」について案内した。
Android マーケットにおけるアプリダウンロード数は累計110億を超える一方で、マルウェアなどへの対策が課題とされていた。Googleが米国で発表したBouncerでは、Android マーケットを自動的にスキャンし、マルウェアと思われるアプリを検出。規約に違反するアプリはGoogle側で削除する場合もある。アプリがアップロードされると、Bouncerが既存のマルウェア、スパイウェア、トロイの木馬でないかを分析すると同時に、過去に分析したアプリのデータと照合し、危険性のあるアプリを検出する。さらに、悪意のある開発者や過去に何度も違反をした開発者が再びアプリをアップロードできない仕組みになっている。
Bouncerによるマルウェア検出により、2011年の上半期から下半期にかけて、マルウェアの疑いのあるアプリのダウンロード数は40%減少したという。なお、Bouncerの導入開始時期は非公表。Bouncerは米国のみならず、日本を含む他国でも導入されている。
Bouncerに加え、GoogleはAndroidのセキュリティ対策として、サンドボックス、アクセス権限の許可、マルウェアが削除可能であることを挙げている。サンドボックスでは、インストールしたアプリとその他のアプリの間に壁を設けることで、マルウェアをインストールしても、他の領域に保存されているデータを参照できなくなるという。アクセス権限の許可は、アプリをインストールする前にユーザーが行うシステムのこと。マルウェアの削除については、Androidではマルウェアがプラットフォームを変更したり、ユーザーに見えない状態にできないよう設計されていることから、感染してもすぐに削除できるとしている。これらはAndroid OSのバージョンに依存しない機能となる。
関連記事
- Google mobile revolution:「Ice Cream Sandwich」のチラ見せも――ジョン・ラーゲリン氏が語るAndroidの展望
2008年に世界初のAndroid端末が発売されて以来、全世界でそのシェアを伸ばしてきたAndroid。新OS「Ice Cream Sandwich」では何が変わるのか。バージョンアップに対する考えは。アプリのセキュリティ面への配慮はあるのか。ジョン・ラーゲリン氏が説明した。 - Android向けセキュリティ対策アプリを使い比べる(有料アプリ編)
Androidユーザーにとって必須となりつつあるセキュリティ対策アプリだが、無料のものから有料のものまで、幅広い選択肢が存在する。そこで、主要な製品のそれぞれの機能の違いや、端末にかかる負荷などを比べてみた。今回は有料アプリ編をお送りする。 - 続・Android向けセキュリティ対策アプリを使い比べる(無料アプリ編)
Androidユーザーにとって必須となりつつあるセキュリティ対策アプリ。無料アプリ、有料アプリ、それぞれの機能の違いや、端末にかかる負荷などを比較する。今回はウイルス対策以外のスパムや迷惑電話をブロックする機能、盗難・紛失対策機能などを紹介する。また期間限定で無料の「ウイルスバスター モバイル for Android β」と「カスペルスキーモバイルセキュリティ 9」も紹介。 - Android向けセキュリティ対策アプリを使い比べる(無料アプリ編)
Androidユーザーにとって必須となりつつあるセキュリティ対策アプリ、無料アプリ、有料アプリ、それぞれの機能の違いや、端末にかかる負荷などを比較した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.