Huawei、6型+8コアのSIMロックフリースマホ「Ascend Mate7」を12月に発売:下り最大300Mbps
ファーウェイ・ジャパンが、6型フルHDディスプレイにオクタコアを搭載したハイスペックなスマートフォン「Ascend Mate7」を、12月に発売する。
ファーウェイ・ジャパンが10月6日、SIMロックフリーの新型スマートフォン「Ascend Mate7」を12月に日本で発売することを発表した。
Ascend Mate 7は、9月にドイツで開催された「IFA 2014」で発表されたハイスペックなスマートフォンで、世界30カ国以上で展開している。カラーバリエーションはムーンライト・シルバーとオブシディアン・ブラックの2色展開。U-NEXTをはじめとしたMVNO各社や、全国の家電量販店、オンラインショップなどで販売する。価格はオープンで、実売想定価格は未定。
ファーウェイ・ジャパンは6日に記者説明会を開催し、端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の吉本晃氏が、製品の詳細を説明した。
Ascend Mate7は日中合作のスーパーなスマートフォン
Ascend Mate7のサイズは約81(幅)×157(高さ)×7.9(奥行き)ミリ。狭額縁設計により、ベゼルの幅はわずか2.9ミリとなっており、画面占有率は83%を実現した。また背面はラウンド形状になっており、最薄部は3.28ミリに抑えられている。アルミボディについては「クラフトマンシップ、手作り感を全面に出した」と吉本氏は説明する。
ディスプレイは、6型のフルHD(1080×1920ピクセル)と大きく、世界初というジャパンディスプレイの「IPS-NEO」技術により、コントラスト比1500:1を実現した。吉本氏は「iPhone 6 PlusやGALAXY Note 4よりもさらに大きい」とアピールする。
プロセッサは1.8GHz駆動の4コア「A15」と、1.3GHz駆動の4コア「A7」から構成される計8コアの「Kirin 925」(HiSilicon製)を搭載。ARMのbig.LITTLEアーキテクチャを採用し、利用するアプリや機能によって駆動させるコアやコアの数を変えることで、バッテリーの消費を抑える。「例えば、3Dゲームをするときは計7つのコアを動かすが、通話やSMSなど負荷の少ない動作をするときはA7の1コアだけ動かせばよい。動作に合わせてCPUの数を適切に使い、最適な消費電力でアプリを実行できる」と吉本氏はメリットを説明する。バッテリーは4100mAhと大容量のものを備えている。
HiSiliconは、Huaweiが投資しているグループ企業。吉本氏は「自社で投資した半導体メーカーを持っているのは、他社にはない大きな強み。ハイエンドのチップを最新機器にいち早く搭載できるので、差別化できると思う」と語った。
現行のスマートフォンでは数少ないLTEの次期バージョン「Category6」に対応しているのも特徴の1つ。キャリアアグリゲーションにより、理論値で下り最大300Mbpsの高速通信が可能になり、「1GバイトのHD動画を30秒でダウンロードできる」(吉本氏)。ただし発売される12月時点では、300Mbpsの通信サービスは日本で提供されていない。NTTドコモは2015年3月に、キャリアアグリゲーションを活用した下り最大225Mbpsの通信サービス(LTE-Advanced)を提供する予定で、Ascend Mate7が、スマートフォンとしてはこれをいち早くサポートすることになる。
背面には9.16×9.16ミリの指紋センサーを搭載しており、スリープ状態でも約1秒、1回のタッチでロックを解除できるという。360度の方向や、ぬれた手でも認証できる。指紋は5つまで登録でき、フォルダやアプリのアクセスをロックできる。「ビジターモード」に切り替えると、設定したフォルダやアプリが表示されなくなる。登録した指紋情報はチップセットの「Secure Engine Trustzone」に保存することでセキュリティ面にも配慮した。また、指紋センサーをカメラのシャッターとして活用することもできる。
Huawei独自の「Emotional UI」を継承しているほか、端末を振ると画面が左右に寄る「One-hand UI」も新たに利用できる。「画像を削除しますか?」などのポップアップを、端末を振ることで上下に表示させることもできる。
Ascend Mate7には日本メーカーの部品が半分以上使われているそうで、吉本氏は「日本と中国の合作のようなスーパーな端末になっている」と完成度の高さを強調した。
Ascend Mate7は、10月7日から幕張メッセで開催されるIT・エレクトロニクス展示会「CEATEC JAPAN 2014」のHuaweiブースで実機が展示される。
機種名 | Ascend Mate7 |
---|---|
メーカー | Huawei |
OS | Android 4.4 |
プロセッサ | Hisilicon Kirin 925/オクタコア 1.8GHz+1.3GHz |
メインメモリ | 2Gバイト |
ストレージ | 16Gバイト |
ディスプレイ | 約6型フルHD IPS-NEO液晶 |
解像度 | 1080×1920ピクセル |
バッテリー容量 | 4100mAh |
メインカメラ | 有効約1300万画素CMOS |
インカメラ | 有効約500万画素CMOS |
ボディカラー | オブシディアン・ブラック、ムーンライト・シルバー |
サイズ | 約81(幅)×157(高さ)×7.9(奥行き)ミリ |
重量 | 約185グラム |
通信速度 | 下り最大300Mbps/上り最大50Mbps |
通信方式 | LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B19/B20/B40 WCDMA:B1/B2/B4/B5/B8/B19 GSM:B2/B4/B5/B8 |
「ドコッチ」でウェアラブル市場を盛り上げたい
ファーウェイ・ジャパン 副社長 端末統括本部 統括本部長の呉波(ゴ・ハ)氏は、グローバル市場における端末事業の現状を説明した。Huaweiは2014年度の第2四半期でスマートフォンのシェアでSamsung ElectronicsとAppleに次ぐ世界3位につけており、6.9%のシェアを持つ。現状には満足していないが、SamsungとAppleの差を縮められたことには一定の成果を感じているとのこと。2014年度は、8000万台のスマートフォンを出荷することを目標としている。
日本市場ではスマートフォン、モバイルWi-Fiルーター、デジタルフォトフレーム、キッズケータイ、テレビチューナー搭載ルーターなどさまざまな製品を投入してきた。直近では、NTTドコモが発表した子ども向けウェアラブル端末「ドコッチ」もHuaweiが開発しており、新しいジャンルの製品だ。ゴ氏は「これまで、ウェアラブルは日本市場であまり盛り上がっていなかったが、ドコッチをきっかけに、ウェアラブル市場のトレンドをリードしていきたい」と意気込みを語った。
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