ITりてらしぃのすゝめ
すぐに消え、永久に残る ネット情報、矛盾する“2つの顔”(2/2 ページ)
特にSNSにおいては、リツイートやシェア、リポスト、リブログといった表現で、1つの投稿がどんどんコピーされていきます。もちろんこれは各種SNSの重要な機能であり、人と人とがつながるための仕組みですが、万が一拡散されたくないようなネガティブな情報だった場合、この方法を通じて意図せず拡散してしまうことになります。特にこの点に関しては、大人よりもこどもたちが被害に遭うことが多いでしょう。
写真だけではありません。テキスト情報であってもそれは検索エンジンにコピーされ、蓄積されていきます。最近ではSNSの投稿を消したとしても「魚拓」と呼ばれるようなアーカイブ記録を元に、議論が進むこともあります。この点に関しては良い面、悪い面もあるとは思いますが、中には揚げ足取りのためだけに魚拓が使われている場合もあるでしょう。
今では就職活動の一環で、人事部もSNSのチェックを欠かさないという話もあります。これが「正しい情報」を見ていたとしたら、身辺調査としても指標の1つになるかもしれません。しかし、ネットにおける情報は信ぴょう性が怪しい場合も多いわけで、「正しくない情報が公開され、それがいつまでも残る」という状況は非常に問題ではないかと思います。
ツイート画面を捏造することは意外と簡単です。もし悪意ある人間が投稿してもいないテキストのスクリーンショットを捏造し、その画像をSNSに投稿し、複数のダミーアカウントが拡散したとしたら、ぬれぎぬを着せることも可能でしょう。存在しない悪評がデジタルタトゥーとなって消えないとなると、軽率にネット上の議論に参加するのはあまり得策ではなく、静観することも重要だと私は考えています。
結論:ネットの情報は自分でコントロールできない
ネットの情報は、すぐに消えるも真、そして永久に残るも真です。つまり正確には、ネットにある情報は自分でコントロールできないということになります。今でこそ盛況なTwitterやFacebook、Instagramも、いつかはサービスが変わっていきます。だからこそ、Mastodonのように「情報を自分が管理できる」仕組みに注目が集まったのでしょう。
ネットは情報をストックすることよりも、いま現在何が行われているかを見る装置になりつつあると思っています。そのため、ネットに残り続けている情報が正しいというよりも、良きにせよ悪しきにせよ、人が望む情報のみが残り続けるということかもしれません。これは少し、悲しいことだと思っています。多くの人の知恵と知識、経験が積み重ねられる、あの頃夢みた「Web 2.0」的な世界とは少々ずれてしまっていますから。
100年後の世界では、ネット上の情報はどこまで残っているのでしょうか。当時の貴重な記録がしっかり残ってほしいと願いつつも、黒歴史はきれいさっぱり消えてほしいという矛盾した思いがあります。少なくとも、自分が大学生のときに電子出版した恥ずかしいエッセイ集だけは、私の記憶からも消したいですね……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ITりてらしぃのすゝめ
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
4
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
5
松屋の公式アプリとWebサイトが停止 不正アクセスを検知、モバイルオーダーや弁当予約も使えず
-
6
ベネフィット・ワンの委託先に不正アクセス セゾン会員向け優待サービスで約2.9万人分の個人情報漏えい
-
7
ANAの予約情報に不正アクセス、JALと同じ委託先経由で 個人情報をのぞき見た痕跡も
-
8
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
9
渦中のGMO、熊谷代表の発信は“火に油”か? 「経営トップが自ら広報」の功罪
-
10
ギターの「形」は誰のもの? ヤマハにも警告、Fenderが“ストラト著作権”で仕掛けた知財攻勢
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR