小寺信良のIT大作戦
スマートリングは日本でブレイクするか 高精度な睡眠モニターと分析の「Ultrahuman Ring AIR」を試す(3/4 ページ)
一方、スマートリングはモーションセンサーは搭載するもののGPSは受信できず、距離やルートの計測はスマートフォン側に依存する。Ultrahumanでは歩行や走行などの運動を自動検出できるが、種目の確定はユーザー確認が前提だ。一方睡眠状態はかなり細かくモニターしており、日々の連続値を取得することで、睡眠効率や回復率などを分析する。
Ultrahumanの場合、基本的な機能は無料で利用できる。他のスマートリングでは、継続的な利用にはサブスク料金がかかるものもある。リングが買い切りかどうかは、長期間の利用ではかなり大きく効いてくる要素だ。
Ultrahumanでは、基本機能以外はオプションとして、パワープラグ(PowerPlugs)として追加できるようになっている。パワープラグには無料のものもあるが、一部はサブスクのものもあるといった格好だ。
睡眠に関しては、体内時計の調整のため、日光浴するタイミングなども提示してくれる。ただスマートリングはスマートウォッチのように振動したりメッセージを表示したりするわけではないので、スマホを見なければ通知に気が付かないことも多い。このあたりが現時点での課題といえるだろう。
スマートリングには通知系のものも存在したが、スマートウォッチの普及によって次第に市場がなくなっていった。現在、健康トラッキング系リングは、単にセンサーの塊だが、今後は通知機能を搭載する方向性も出てくるかもしれない。
日本に市場はあるか
日本では、スマートリングの市場はそれほど大きくない。考えられる理由としては、スマートウォッチの普及はかなり進んでいることもあり、健康トラッキング系の機能はスマートウォッチがカバーしている点はあるだろう。
もう1つは指輪をすることに対して、社会的コンセンサスがあまり高くないことが挙げられる。もちろんプライベートではファッションとして普及しているが、仕事中に指輪をしている人は、アパレルやファッション系以外ではそれほど多くないのではないか。例えば指輪が原因で商品が傷つくとか、衛生面で外さざるを得ないとか、逆に指輪が傷つく可能性があるなどの理由が考えられる。
こうした条件をクリアした上でスマートリングが普及するかは、むしろスマートウォッチがどう進化するか、というところにかかっている。例えばスマートウォッチで睡眠をトラッキングできたとしても、バッテリーが2日程度しか持たないというのでは、連続的なトラッキングは難しい。普通は、時計を使わない時間は睡眠時である。
むしろ常時センサーを動かす生体トラッキングはスマートリングに任せて、スマホの通知連携に特化して駆動時間を延ばすか、あるいは運動する際に装着するといった、フィットネス専用に特化する動きがあってもおかしくない。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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