小寺信良のIT大作戦

スマートリングは日本でブレイクするか 高精度な睡眠モニターと分析の「Ultrahuman Ring AIR」を試す(4/4 ページ)

 また近年、スマートグラスのようにAIをウェアラブルデバイスに搭載する流れになってきている。この路線で行けば、スマートウォッチにAIが載るという方向性もありうる。そうなれば、スマートウォッチの役割自体が変わってくるだろう。

 同じ目的のために、高価なデバイスを2つ使用することはあり得ない。実際に使ってみるとスマートリングも悪くないと思えるのだが、普及に至るにはスマートウォッチとどう住み分けるのかのロジックが完成しないと、難しいように思える。

 一方で、住み分けなど必要なく流行に乗るという見方もある。先週もお伝えしたように、日本は、不眠に対して自己責任を強く求める社会である。よって睡眠を積極的に管理する方向性は、年々強まっている。

 23年に公開された「ポケモンスリープ」は、1年で100万MAUを記録し、2位の米国を2倍以上引き離して、日本がトップである。

「Pokemon Sleep(ポケモンスリープ)」はスマホのセンサーを使ってユーザーの睡眠時間や睡眠の質を計測© Pokemon © Nintendo/Creatures.Inc/GAME FREAK inc. Developed by SELECT BUTTON Inc.

 着るだけで疲労回復をうたうリカバリーウェアは、22年に薬機法上の品目が追加されたことで市場環境が整い、30年には1700億円規模になるという予測もある。

 睡眠関連商品の隆盛によって、スマートウォッチとは別の文脈でスマートリングが波にのる可能性がある。寝るときに時計は外したい、寝ているときにスマートウォッチを充電したいといったニーズにも合致するだろう。

 世界的に見ても、スマートウォッチに比べてスマートリングは、市場規模としてはまだ取るに足らないレベルである。だが日本の睡眠市場の規模は拡大しており、事業者にとってはかなりのブルーオーシャンに見えているはずだ。

 この流れに乗って日本でどのぐらい普及するのか、プロモーション戦略も含め、注目しておきたい。

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ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。

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