コードが書けない筆者が愛車用にアプリを2本自作 「AI製アプリで起業」の夢膨らむも、見えた有料化の壁(3/3 ページ)

図に乗って2つめのアプリ「電費ログ」を開発

 調子に乗って2つめのアプリ「電費ログ」を作ってしまいました。その名称が示す通り電費を確認するためのアプリです。筆者は、「TeslaFi」や「Tessie」といった高機能な有料のログアプリを契約しており、電費ならそれらで確認可能です。

 しかし、それらは高機能なだけに、手軽さという部分では今ひとつなのです。好きなタイミングで電費だけをワンタップで確認できるシンプルなアプリを求めていました。それを自作しました。

TeslaのAPIを利用して車両から必要なデータを拾った上で記録してくれる。Teslaアカウントへのログインが要求されるが、それらの仕組みのすべてClaude Codeが自動でコーディングしてくれた

 このアプリは、Teslaが公開しているFleet APIを利用して、走行距離や消費エネルギーのデータをポーリング(問い合わせ)して算出しています。TeslaのAPIは従量課金制です。400円程度の料金が発生していますが、個人利用ということで無料枠(10ドル/月)に収まっており現時点では請求されることはありません。

 APIへの対応もすべてClaude Codeに任せました。途中、何度かエラーが発生しましたが、それもAIが解決してくれました。Claude Codeのアドバイスで、エラー発生時にAPIのレスポンスをコピーできる「開発者用ボタン」を設置したことで、デバッグが非常にスムーズに進みました。

 これも自分専用アプリなので、自宅から半径150メートル離れた時点で自動的に記録を開始するジオフェンス機能も追加しました。まさにClaude Code、様々です。

ジオフェンス機能の追加も、Claude Codeからの提案で実装。最大20か所まで登録可能なので、職場など自宅以外で頻繁に立ち寄る場所の設定にも対応

AIの作ったアプリで起業など幻想にすぎない?

 ここでご紹介したTesla用アプリ以外にも、iOSやmacOS用のアプリなど日常生活や趣味などで「あったら便利かも」と思ったものをどんどん開発しましたし、現在進行形でその数は増えています。

 これほど簡単にアプリが作れるのなら、アイデア次第でiPhoneやmacOS用のアプリ開発で起業も可能ではないかと夢見心地になりました。

 しかし、開発を進めるにつれ、それは幻想に過ぎないことだと思うようになりました。とにかく、AIがあれば誰でもアプリを作ることができるわけですから、そこに有料の価値を付加するのは、なまじのアイデアや機能ではとてもではないですが不可能です。

 加えて有料で販売する限りは、バグ、UI/UXの不備といった機能的瑕疵が頻発するようではお話になりません。もちろん、そのような瑕疵はAIであぶり出して潰していけばいいという「永遠のベータ」(古っ!)的な考え方もあるかもしれませんが、皆がみんな友好的なユーザーとは限りません。

 AIの力を借りてソフトウェアやアプリを開発し、それを事業ドメインに据えて起業しようなどという考えは、AIによるプログラミングがもたらす「一億総開発者インフレーション」の前では夢物語に過ぎないという考えに至りました。現時点では、本来業務の効率化や省人化の部分でAIを導入するという、至極まっとうな結論です。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla

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「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、主にデジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。

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