価格高騰が変えた法人PC調達 「売上2倍」のリユースPC事業者が見た需要の変化(1/3 ページ)

 新品PCの価格が上がっている。生成AI需要を背景にメモリやSSDの価格が高騰し、大手PCメーカーも相次いで値上げを打ち出している。企業のPC調達担当者が調達先の見直しを迫られる中、選択肢に上がり始めているのが、使用済みのPCを回収し、検査や清掃、部品交換などを経て再び販売する「リユースPC」だ。

 実際、リユースPC専業のリングロー(東京都豊島区)が運営する直販サイト「R∞PCダイレクト」では、26年3~4月の売上が前年同月比で約2倍に伸びたという。リユースPCの生産から仕入れ、販売までを一貫して手掛け、18年からは無期限保証付きの独自ブランド「R∞PC」(アールピーシー)も展開する同社。リユースPCの現場でいま何が起きているのか、広報担当の藤井梨緒氏に聞いた。

取材に応じたリングロー広報担当の藤井梨緒氏

新品PCの値上がりが止まらない

 そもそも、新品PCはいまどれだけ値上がりしているのか。調査会社MM総研(東京都港区)が26年4月に発表した「国内パソコン出荷台数調査」によると、新品PCの平均単価は21年度から24年度にかけて3年で約3割上昇した。

 この流れは26年に入って一段と強まっている。電機・IT業界の団体である電子情報技術産業協会(JEITA)が公表する国内PCの出荷金額を出荷台数で割ると、26年4月の平均単価は約14万円(13万9821円)。3月の10万3458円から1カ月で35%上がり、単月としては現行の集計方式になった07年度以降で最も高い水準になった。

新品PCの平均単価は3年で約3割上昇した(出典:リングロー提供資料より、以下同)

 調達する企業側も値上がりを意識し始めている。リングローが26年7月に実施した「法人PC調達実態調査」では、回答者の77.7%が直近1年間の調達価格について値上がりを実感していたと答えた。対応として最も多かったのは「購入・更新する時期を延期する」の39.7%で、「1台あたりの予算を増やす」の21.7%を大きく上回る。コスト圧力が調達行動を変え始めた格好だ。

回答者の77.7%が調達価格の値上がりを実感
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