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インテルが描くエンターテイメントとエンタープライズコンピューティングの未来像(2/2 ページ)

» 2004年04月09日 10時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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IA-64の成功を強調

 変わってエンタープライズマーケティング&プランニング・ディレクタのアジェイ・マルホトラ氏が、Itanium 2のプロセッサパワーでシミュレーションや設計を行っているというトヨタのF1カーとともに登場。派手な登場の裏には、昨年の好調さで裏打ちされた自信があるのかもしれない。

トヨタ F1とともに登場したアジェイ氏 トヨタ F1とともに登場したエンタープライズマーケティング&プランニング・ディレクタのアジェイ氏

 「2003年はIA-64にとって大きな転機だった。はじめて新記録となる100万TPC-Cをスコアして以来、毎月、記録を更新し続けた。我々はエンタープライズサーバの分野において、プレゼンスも、経験も、パフォーマンスも上がってきた。その結果、非常に多くのハードウェア・ソフトウェアベンダー、それにエンドユーザからの支持を受けることができた」とアジェイ氏は満面の笑みを見せる。

 しかも、昨年のIA-64はハイエンドのサーバ分野だけに特化した製品では決してなかった。安価なデュアルプロセッサ版や、消費電力の低い低電圧版も投入し、IA-64がサポートするアプリケーションの範囲は確実に広がってきている。

 アジェイ氏は、この勢いを持続させ、これまで不得手だった市場にまで、インテルアーキテクチャ活躍の場を広げたいようだ。「ご存じのように、インテルアーキテクチャのサーバは全サーバ台数の85%を占める低価格セグメントで高いシェアを持っている。しかし、金額ベースでの市場規模の半分以上占めるハイエンドには食い込めていない」とアジェイ氏は話し、この市場をItanium 2で強く刺激することでシェアの急速な伸張を狙う(2月19日の記事参照)。

 「Itanium 2は、パフォーマンス、コスト、出荷量、テクノロジ(デュアルコア、マルチスレッド)のすべてでライバルに対して優位性を持っている。2003年には10万個のItanium 2が生産されており、コスト面で圧倒的な優位性がある(アジェイ氏)」

 アジェイ氏はItanium 2製品を販売するNEC、HP、日立、富士通、それにItanium 2対応の64ビットOSを提供するマイクロソフト、それぞれの担当者を壇上に呼び、賞賛を繰り返しながら彼らとのパートナーシップをアピールした。

 特にNECと富士通が開発中の製品は興味深い。

NECが開発したデュアルItanium2のサーバブレード NECが開発したデュアルItanium2のサーバブレード

 NECはItanium 2を用いたブレードサーバ試作機を展示。パーツレイアウトや冷却システムを最適化し、1Uでデュアルプロセッサ構成のブレードサーバを開発。「Itanium 2のパワーがブレードにまで入るのは画期的だ」とアジェイ氏も賞賛の声を惜しまなかった。

 富士通はミッションクリティカル分野に向け、Itanium 2をプロセッサとして用いたメインフレームを開発しているという(2003年1月24日の記事参照)。従来、メインフレームやRISCサーバを開発してきた技術者を総動員し、ハードウェア、ミドルウェア、OSはもちろんのこと、メインフレームからの移行ツールなども同時並行的に開発。来年春には発売に漕ぎ着ける予定という。

 初期段階から自社チップセット開発などでIA-64に関わってきた日立も、自社開発のミドルウェアをはじめ、日立の持つ中核技術をIA-64の上に実装していくことを約束した。

 このほかアジェイ氏は、モジュラー型IAサーバのプラットフォーム標準化を行い、簡単に相互運用が可能なサーバプラットフォームを開発していることを明らかにした。モジュラ型IAサーバは来年の投入が予定されている。

AMD64互換の64ビット命令拡張にも言及。次世代Xeonからのサポート AMD64互換の64ビット命令拡張にも言及。次世代Xeonからのサポート
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