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堀江社長、提携は「想定の範囲内の良い方」

» 2005年04月18日 21時26分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「想定の範囲内の良い方でおさまった」――ライブドアの堀江貴文社長は4月18日夕方に開いたフジテレビジョンとの資本・業務提携に関する記者会見で、終始笑顔を見せていた。堀江社長とフジテレビの日枝久会長、ニッポン放送の亀渕昭信社長は会見中、時折笑顔で言葉を交わし、“友好的提携”をアピール。日枝会長は「提携に満足している」と話した。

左からニッポン放送の亀渕昭信社長、ライブドアの堀江貴文社長、フジテレビの日枝久会長、村上光一社長

 堀江社長は「当初から目指していた、通信と放送の融合に向けた資本・業務提携という目的を達成できた」と、“作戦の成功”を強調。「業務提携で新しいビジネスモデルを構築できると今から非常にワクワクしている」と話した。

 さらに「以前はフジテレビやニッポン放送の番組に出してもらうなど仲が良かった。やっと元に戻れて嬉しい」と笑顔を見せ、「フジテレビとライブドアの力を結集して、日本を世界に冠たるネット国家にし、ライブドアを日本を代表するネット企業にしたい」と展望を語った。

 日枝会長は提携に至った理由を「マスコミの公共性や社会的使命を保ちながら、(ライブドアの株主となることで)フジが主導的な立場で提携できると確認した」ためと説明。ライブドアのネットでのノウハウを同社の事業拡大に生かし、「21世紀の勝ち組メディアとして勝ち残りたい」とした。

 亀渕社長は「ライブドアとフジテレビが友好的によく話し合って今回の合意に達し、たいへん嬉しい」とコメント。村上光一フジテレビ社長は「堀江さんがフジテレビの企業価値を大いに高めてくれると思っている」と期待を語った。

会見中、堀江社長と日枝会長が親しげに話すシーンが何度も見られた

堀江社長「日本では先進的なことをやった」

 会見での一問一答は以下の通り。

――今回の提携は、土足で家に上がって「仲良くしよう」と言っている相手に対して負い銭をやるという風にとれるが。

日枝会長 確かにそういった感情がなかったと言えばウソになるが、(堀江社長への不信感は)話し合いの過程で払拭できた。

亀渕社長 堀江さんやライブドアの方々と食事をした時、「こんな形ではなく知り合えたら、一緒に良い仕事ができただろう」とお互いに話した。誤解はコミュニケーション不足が原因。今後はコミュニケーションを大事にしたい。

――提携は、堀江社長の想定の範囲内か。

堀江社長 目標だった業務提携を実現した。想定の範囲内の良い方でおさまった。

――ライブドアがフジテレビに資本参加しなかったのはなぜか。

堀江社長 ライブドアがフジテレビの株を持っても良かった。重要なのは資本提携し、「何とか株価を上げないと損をする」という状態でがっちり協業すること。放送の視聴者がネットに来ればライブドアの企業価値が上がり、ライブドアの企業価値が上がればフジテレビが持つライブドア株の価値も上がるという仕組みができた。

――フジがライブドアに出資する理由は。

村上社長 ライブドアの成長が期待できることと、提携によって「Win-Win」の関係が築けること。

――ライブドアがフジから獲得する資金はM&Aに振り向けるのか。

堀江社長 基本的にはポータル事業をメインにした投資にあてる。別の資金でM&Aを行う。

――「業務提携推進委員会」の構成メンバーや、提携の中身は。

村上社長 両社から数人ずつ参加して、週1回かそれ以上のペースで話し合う。その中で具体的な話がいろいろ出てくるだろう。

堀江社長 具体的な内容についてはまだ何も言えないが、(委員会の設置期限である)6カ月以内に何らかの成果をあげたい。

――堀江社長は今回の騒動を総括してどう感じるか。

堀江社長 日本では先進的なことをやったと思う。このノウハウを次のM&Aに生かしたい。

――今回の騒動が、日本のM&Aに与えたインパクトについてどう思うか。

堀江社長 日本が発展するためには、外国資本をもっと積極的に受け入れたほうがいい。先進国は保護政策を採ってはいけない。ネットはもともとグローバル。ライブドアや楽天以外の国内トップ10企業はほとんど外資系だ。

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