米Sun Microsystemsは6月14日(米国時間)、Solaris 10のオープンソース版「OpenSolaris」の技術を公開する。
同社プラットフォームソフトウェア担当副社長トム・ゴーウェン氏によると、カーネルやネットワーキングソフトなどの技術がSunのCommunity Development and Distribution License(CDDL)の下で自由に利用できるようになるという。公開されるカーネルには予測的自己修復やSolarisコンテナなどの機能が含まれ、システムライブラリやコマンドも開示される。
ユーザーはソースコードをダウンロードして、自分のソースコードと組み合わせたり、商用製品の開発に利用することができる。「これは完全にロイヤリティフリーのオープンソース製品だ」とゴーウェン氏。ソースコード公開により、Solarisのエコシステムを推進することがSunの目的だと同氏は語った。
OpenSolarisはSunのSPARCハードのほか、Intelのx86プロセッサとAMDの64ビットOpteronシステムで動作する。Sunはサポートパッケージの提供で同OSを活用したい考えで、OpenSolarisを市場に投入することで同社のほかの製品の需要が高まると期待しているという。
Linuxからの競争圧力が原因でSolarisをオープンソース化したのかとの質問に対し、ゴーウェン氏は、Sun自体、20年以上前にオープンソース技術であるBSD UNIXから始まったと答えた。
「(BSD UNIXを開発した)ビル・ジョイ氏はSun創設者の1人であり、オープンソースソフトの始祖の1人と考えられている。われわれは(カリフォルニア大学に次いで)2番目に多くのコードをオープンソースコミュニティーに寄贈しており、(14日には)最大の寄贈者になる」(同氏)
Solarisのような自己修復機能や動的トレース機能を持たないLinuxでは不十分な市場もあると同氏は語り、「Red Hatの(Linux)製品は今のSolarisほどのスケーリングができない」と指摘した。
SunはユーザーがLinuxに流出するのに歯止めをかけたいのだとIlluminataの上級アナリスト、ゴードン・ハフ氏。「(Solarisが)マスマーケット向けのLinuxの代替選択肢になるというのはすぐには無理だろう。だが私は、Sunが力を入れているのはまだSolaris陣営にいる顧客や開発者だと思う」
今回の動きがWindowsユーザーを引きつけることはなさそうだとハフ氏。WindowsはSolarisとはかなり異なるシステムだからだという。
Sunは今後もSolarisの商用版を提供するが、将来の商用版はOpenSolarisで進められる開発を基盤にするだろうとゴーウェン氏は語った。
同社は1月に動的トレース機能「DTrace」をオープンソース化している(1月26日の記事参照)。14日に公開されるコードには、一部の管理技術やインストール技術は含まれない。
OpenSolarisはこちらのサイトで提供される。
OpenSolaris Projectでは今後、テストスイート、バグおよびパッチのサブミッション管理ツール、コード管理ソリューション、設計文書などを公開する予定だ。
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