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» 2006年09月12日 17時29分 公開

「電力問題の解決には段階的な取り組みが必要」とAMDのショー氏

データセンターにおける電力/冷却が問題になりつつある一方で、その解決に取り組んでいる管理者はまだ少ない。

[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 データセンターにおける電力/冷却コストが急激に上昇しているが、チップメーカーのAdvanced Micro Devices(AMD)の幹部によると、ベンダーもユーザーもこれらの問題に対処できないでいるという。

 フロリダ州オーランドで開催中の「Data Center World」カンファレンスのキーノートスピーチで、AMDのワールドワイドコマーシャル/エンタープライズマーケティング担当副社長、ブルース・ショー氏は9月11日、「当社とパートナーによる最近の調査の結果、データセンターの管理者が眼前の危機を認識しておらず、それに対処するための計画も立てていないという憂慮すべき傾向が明らかになった」と述べた。

 また、ベンダー各社はようやく、それぞれの製品の消費電力を測定、削減するための手段を確立するために協力し始めたばかりだという。

 「われわれはこの問題を部分的に理解しているが、全体像を把握できていない」とショー氏は語った。

 4日間にわたって開催されるAFCOM主催の同カンファレンスのメインテーマの1つが電力/冷却問題であり、この問題に関するプレゼンテーションが行われた各会議室は参加者であふれかえった。

 しかしAMDの調査結果は、この問題に対処する方法の検討を始めなければ、電力/冷却コストが収益にも悪影響を及ぼすことを多くのユーザーが理解していないという状況を示している、とショー氏は話す。

 例えば2005年の調査では、回答者の71%が「電力/冷却が問題になりつつある」と答えている一方で、12%の回答者が「よく分からない」と答え、また17%が「問題ではない」と答えた。ショー氏によると、これは「困った」結果だという。

 「より大規模なデータセンターを建設することによって、この問題に対処しようとしている」という回答は23%だった。ただし、新たな施設の建設コストは上昇している。ショー氏の推定によると、5万平方フィート(約4600平方メートル)のデータセンターを建設するのに掛かるコストは、1990年の2000万ドルから2010年には2億5000万ドルに増加する見通しだ。

 「データセンターは安くない。調査の結果は、相変わらず不動産という手段によって問題を解決しようとしている状況を浮き彫りにした」とショー氏は指摘する。

 また、71%の回答者が「電力/冷却が問題になりつつある」と答えているにもかかわらず、62%が「従来の購入行動を変えるつもりはない」としている。「データセンターの電力消費に関する計画の作成方法が分からない」という回答は84%に上った。「まだ試行錯誤の状況だ」とショー氏は指摘する。

 また、「電気関連の計画を作成する方法がある、あるいは導入し始めている」という回答が44%だったのに対し、46%の回答者が「そのような計画はない」と答えた。

 ショー氏によると、データセンターの消費電力が今後も上昇する一方であることをユーザーは理解する必要があるという。データセンターは巨大な電力消費者であり、アトランタ地域における最大の電力消費者はインターネット検索プロバイダーである。サーバはデータセンター全体の電力の38〜63%を消費し、冷却装置は23〜53%の電力を消費する。

 ITベンダーも方針を転換しつつある、と同氏は指摘する。2000年ごろは、チップメーカー各社はプロセッサの速度を上げることだけに目を向け、10GHzに到達するという目標も視野に入れていた。

 「IntelやAMDなどのチップメーカーは現在、製造プロセスをますます微細化している。IntelとAMDでは90nmから65nmプロセスへと移行しつつあり、数年後には10nm台に達することが可能になるだろう。これは、1個のシリコンチップにより多くのプロセッシングコアを搭載できるようにするためだ。その結果、パフォーマンスを改善しながら、電力消費と熱の発生を抑制することが可能になる」とショー氏は語る。

 IntelとAMDの両社は現在、デュアルコアの段階にあるが、今後1年内にクアッドコア(4コア)チップを発表する予定だ。

 1台の物理サーバ上で複数のアプリケーションとOSを動作させる仮想化技術も普及が拡大しており、これによりユーザーは、サーバの設置スペースを拡大することなしに、より多くの処理を実行できるようになる。

 ショー氏によると、オンボードメモリコントローラといった技術も、電力消費に影響を及ぼすことなくチップのパフォーマンスを改善するという。

 また、AMD、Intel、Sun Microsystems、IBM、Hewlett-Packardは、教育やサーバ電力測定基準の確立といった手段を通じてデータセンターの電力効率改善を目指すコンソシアム「Green Grid Alliance」を結成した

 ユーザーがサーバの電力効率を把握できるようにするために、「われわれは意味のある指標を設定する必要がある」とショー氏は話す。「この問題に関する知識の欠如が、現時点での最大の問題だ」

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