P2Pファイル交換ソフト「Winny」を開発し、著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助の罪に問われている金子勇被告(求刑は懲役1年)の判決が、12月13日に京都地裁で言い渡される。
検察側は、金子被告が著作権侵害を助長する目的でWinnyを開発したと主張。弁護側は、Winny開発は純粋な技術的見地から行ったもので、著作権侵害を増長させる意図はなかった、と無罪を主張している。
P2Pソフトの開発者が罪に問われた世界的にも異例の事件。有罪判決が出れば、同様なソフトを開発する開発者を萎縮させる可能性があるとも指摘されており、判決の行方が注目される。
- 金子被告が会見「有罪なら日本にとって迷惑」
Winny開発者の金子勇被告が初公判終了後に会見し、「Winny開発は日本のためにやった」と改めて主張した。
- Winny事件初公判、開発者は無罪を主張
Winny開発者の初公判で、開発者は「無罪を勝ち取るまで戦う」と宣言。冒頭から検察側と弁護側が激しい論戦を繰り広げる展開となった。
- 「Windowsもほう助になりかねない」──検察側と弁護側が全面対決
「Winnyは著作権法違反行為を増長させることを意図し、確信犯的」「可能性の認識だけでほう助になるなら、コピー機や自動車は?」。争点は“Winny開発者が違法行為を容易にする認識があったか”、“だとしてもほう助が成り立ちうるか”。
- 特集:Winny事件の衝撃
ブロードバンドの可能性と破壊力をもっとも分かりやすく示して見せた国産P2Pファイル共有ソフト「Winny」。司法当局は「著作権法違反ほう助」容疑で開発者の逮捕・起訴に踏み切った。ネットではWinnyの功罪をめぐって議論が続く。「Winnyという現象」は終わっていない。
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