MSのハイテクテーブル「Surface」、その真価は?
米Microsoftの新しい技術プラットフォームをベースとする新製品「Surface」が5月30日、お目見えした。
Surfaceはカリフォルニア州カールズバッドで開催されたD: All Things Digitalカンファレンスにおいて、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOにより発表された。Surfaceは実現までに時間のかかった製品だ。最初の製品となる30インチのディスプレイテーブルは、商業利用が念頭に置かれている。
Surfaceはカメラとソフトウェアを使って、テーブル上、もとい、表面(surface)上での人間の動きや物体、デバイスを認識するようになっている。Microsoftによると、Surfaceはマウスやキーボードを使わずとも、さまざまな方法でシステムと対話できる。
Surfaceでは、ユーザーやデバイスはコンピュータのフラットテーブルとの間で情報をやり取りできる。Microsoftのビル・ゲイツ会長は2006年の家電見本市CES(Consumer Electronics Show)で、「Play Table」という名称で、この技術のプロトタイプを披露している。
Microsoftは当初、この技術のターゲットをB2Cサービスの提供企業に絞っており、初期の導入企業としては、Starwood HotelsやT-Mobile USAなどが予定されている。
Surfaceには、さまざまな用途の可能性がある。例えば、レストランであれば、客がSurfaceのテーブルトップ上のビジュアルメニューを操作して注文したり、テーブルトップにクレジットカードを置いて支払いを済ませたりできるだろう。あるいは、複数で食事をする場合には、自分が注文した料理を各自がテーブルトップ上で選択し、クレジットカードを置き、別々に支払いを済ませたりもできるだろう。またT-Mobileの店舗では、客はSurfaceのテーブルトップ上に自分の携帯電話を置くだけで、販売や価格情報を入手できるようになる見通しだ。
素晴らしいのは(あるいは、結果次第では重大な欠陥にもなり得るが)、SurfaceがWindows Vistaを搭載している点だ。このMicrosoft OSのおかげで、Surfaceには「何でも屋」的な融通性が与えられる。Surfaceはカメラを使って、指や手の動きだけでなく、デバイスや物体も認識できるようになっている。
実際、Surfaceはさまざまなユーザーにさまざまな用途で役立てられるだろう。「ユーザーは指をさっと動かしたり、手を動かしたりして、情報を直観的にコントロールできることになる」とMicrosoftのSurface担当の上級マーケティングコミュニケーションマネジャーのカイル・ウォーニック氏は語っている。
Microsoftは当初は企業顧客にターゲットを絞るが、より長期的な販売ターゲットとなるのは一般ユーザーだ。「いずれ、Surfaceは一般家庭にも置かれることになるだろう」とウォーニック氏。
だが、Microsoftはこの新技術とその価格が大衆市場に適したレベルに達するまでには、あと3~5年はかかると見積もっている。同社は、第1世代のSurfaceテーブルの価格を5000~1万ドルと予想している。
Endpoint Technologiesの社長でアナリストのロジャー・ケイ氏によると、Surfaceに対する人々の反応が印象的という。「わたしの受けた印象では、Surfaceに対する皆の感情的な反応は、1990年代初期のフラットパネルに対する反応と同じだ。Surfaceを目にした誰もが“わー、すごい!”と感嘆している。普通ではない反応だ」と同氏。
Surfaceが通常のタッチスクリーンと大きく異なるのは、Microsoftが「マルチタッチ」と呼ぶ機能ゆえだ。1つの指の動きや1つのタッチに反応するのではなく、Surfaceは同時に複数ソースからの入力を処理できる。
では、「触れられる」ということはどれほど重要なことなのだろう? 商品に対するユーザーの接し方が、それを物語っている。彼らはまず、商品を見る。そして、触る。消費者は目と同じくらいに、手を使って、商品を吟味しているのだ。MicrosoftはSurfaceによって、コンピュータのスクリーンやマウス、キーボードよりも、より自然なユーザーインタフェースを提供したいと考えている。
水面下では、大転換が進んでいると言えそうだ。なぜなら、Surfaceを提供しているMicrosoftのエンターテインメント&デバイス部門は、XboxやZuneを担当しているのと同じ部門だからだ。これらの製品と同様、Surfaceもエンドツーエンドの商品となる。つまり、Microsoftがソフトウェアとハードウェアの両方を開発している。MicrosoftがSurfaceをOEM各社にライセンス供与する計画は今のところない。Surfaceに対するMicrosoftのアプローチは、こうした新製品に関しては、パートナー各社はPCハードウェアでのようなMicrosoftとの提携関係は期待できない、ということを意味している。
「Surfaceは当面、当社が管理することになる。そのほかの選択肢については今後、検討していく」とウォーニック氏は語っている。
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