前座なのに真打ち登場──ビル・ゲイツ氏基調講演2007 International CES(1/2 ページ)

» 2007年01月08日 21時48分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
CESの主催者も「「コンピュータ産業における重要な人物で興味深い人」と評するビル・ゲイツ氏の基調講演は入りきれないほどの聴衆を集めた

 9年間にわたって恒例となっているMicrosoftのビル・ゲイツ氏によるCES開幕前夜の基調講演。同氏の第一線引退を間近に控えた今年は「同氏最後のCES基調講演か?」と噂されていたが、その内容に引退を感じさせる要素はみじんもなく、予定時間を20分以上もオーバーし、さらにはMicrosoft代表取締役社長ロビー・バック氏も登場するなど充実した内容となった。

 「デジタルの時代が押し寄せてきている」で始まったビル・ゲイツ氏の基調講演。彼は、現在の一般的な米国家庭がどれだけデジタルデータを利用しているかをデータを用いて紹介することで、「口火の言葉」を聴衆に証明していった。

 ゲイツ氏の説明によると、米国の一般家庭の65%がデジタルカメラを所有し、2006年の1年間だけで20億枚のデジタルフォトが撮影されているという。また、45%が複数のPCを所有し、若年層ではテレビを見ている時間よりもPCを利用している時間が長いという統計を示し、携帯端末はWi-Fiや3Gに移行し、デジタルカメラはハイディフィニション(HD)出力を備えた600万画素超へ、そして、64ビットCPU、テラバイト・ペタバイト級HDDが登場するなど、人々を巡る状況は急激な変化を遂げている。

 2007年の1月末に発売を控えたコンシューマ向けの「Windows Vista」について、ゲイツ氏は「Windows史上最も重要なリリース」で、かつ「セキュリティ、機能面、ユーザビリティすべてにおいて最高の出来」と絶賛するなど、ソフトウェアのよさに加えてネットワークに接続することから得られるサービスやアドオンプログラムがこれまでにはない最大の魅力と語った。

 百聞は一見にしかず。2007年の基調講演でもWindows Vistaのデモが行われた。PCに保存されたファイル、フォルダ、Webサイトの履歴、Eメールなどをシームレスに探し出せるインクリメンタルサーチ機能、ファイルの内容をファイルアイコンに表示する「サムネイルプレビュー」、ドキュメントを前の世代にさかのぼって復元できる「シャドウドキュメント」、テンプレートを選択するだけでWordドキュメントのフォーマットを見栄えよく変更できるテンプレート機能などが紹介された。また、Windows Vistaで新たに追加された、DVDへの書き込み機能とオーソライズ機能、用意されたテーマから選択するだけで簡単にDVDタイトルページが作成できる機能などもデモが行われた。

ゲイツ氏の基調講演で長らく主役だったWindows Vistaもようやく完成のときを迎えた。「開発途上の新世代Windows」というもう1人の大役者が姿を消すことになる

 ネットワークから得られる機能とサービスには、Windows Live Searchのビルトインバーチャル3Dエンジンを利用した、まるでその場を直接ドライブ、またはフライトしているかのようにリアルな3D地図が表示ができるデモを行った。デモは行われなかったが、このサービスではリアルタイムにトラフィック情報を入手して渋滞を避けることもできる機能も用意されているとゲイツ氏は述べている。

 FOXSports.comとの提携から生まれた「Windows Media Center SportsLounge」では、スポーツ番組をHDクオリティで配信されるほかに、スポーツ情報のリアルタイムヘッドライン表示、応援しているチームや選手の情報をアラート表示できるなど、スポーツファンが試合をより楽しめるサービスがそろっている。SportsLoungeは、アメリカでもっとも人気が高いフットボール、野球、バスケットボール、ホッケーの4種目に関連する情報を発信する。このほかにも、Windows Vista Premium以上のエディションでは、「Nickelodean」「Showtime」「Starz」などのオンデマンドビデオサービスが提供される予定だ。

 Windows Vista Ultimateだけで用意される機能で、2枚の写真を範囲選択することで簡単に、かつ自然に合成できる「Windows GroupShop」が紹介された。デモでは、3人の子供が映った写真が2枚用意され、「目を閉じて映っている」子供だけを別の写真にある「目を開けて移っている」写真に置き換えることで、「3人みんなが目を開けている」ように合成する手順が披露された。また、静止画に加えて動画をデスクトップの背景に設定できる「Windows DreamScene」のデモには会場が大きくどよめいた。

 基調講演では、Windows Vistaの魅力を最大限に引き出す製品として、タッチパネルを搭載して直感的な操作を可能にしたHP「TouchSmart」、OSを起動していない状態でもサブ液晶にメール着信通知などの情報を表示できる「Sideshow」を実装したモバイルノートPC「Portage R400」(東芝)、家庭内のマルチメディアセンターとして利用できる高機能デスクトップPC「VAIO VGX-TP1」(ソニー)、MedionのUMPCなどが紹介された。さらに、ネットワーク内のWindows PC、Xbox 360、Zuneなどのデータを自動バックアップするHPのWindows Home Serverの存在も明らかにされた。

Windows Vistaの能力を最大限に発揮させるために、ハードウェアも進化する。繰り返し紹介されてきたSideShowや、ソニーの未発表VAIO「VGX-TP1」、そして総合的なメディアサーバーともいうべきHPのWindows Home Serverなどが基調講演で紹介された

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