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国内デジタルコンテンツ市場、3兆円突破へ

» 2007年08月08日 16時13分 公開
[ITmedia]

 財団法人デジタルコンテンツ協会(会長:高島章富士通顧問)がまとめた国内デジタルコンテンツ市場規模調査によると、2006年の同市場規模は2兆7699億円になり、前年から8.3%拡大した。パッケージソフトが縮小傾向にある中、PCや携帯電話向けの配信が拡大しており、市場の成長を支えている。

 調査は映像、音楽、ゲーム、「図書、画像・テキスト」の4分野についてまとめた。

 市場の流通メディア別割合を見ると、パッケージが圧倒的ながら前年比3.0ポイント減の67.5%にとどまった一方、インターネットが2.7ポイント増の16.7%、携帯電話が0.4ポイント増の15.9%増になり、デジタルコンテンツの3割超が端末機器への直接配信という形で流通している。

 分野別の割合では、音楽が28.3%(7828億円)を占め最多だが、映像、ゲーム、「図書、画像・テキスト」ともそれぞれ割合が同程度になってきている。

 各市場ごとに成長率を見ると、PC用オンラインゲームの「アイテム、アバター課金」が大きく拡大し、116.6%増の454億円に。携帯向け電子書籍は331.3%増の69億円、PC向け電子書籍は69.7%増の81億円になった。前年は減少していたゲーム専用機向けソフトは、ニンテンドーDS人気で31.6%増の4133億円に急回復した。

 PC向け音楽配信は42.1%増の310億円。携帯電話向けは、着メロ市場の縮小もあり、全体では0.5%減の1602億円だった。

 減少率が高かったのはPC用オンラインゲームの定額課金で、33.2%減の210億円だった。基本料金を無料とし、アイテム課金で収益を得るケースが増えたため。

 コンテンツ市場全体の規模は、1.1%増の13兆9890億円。パッケージの割合が初めて50%を切った。

 07年のデジタルコンテンツ市場は、10.7%増の3兆663億円と予想。初めて3兆円を超え、2兆円を突破した02年から5年で1.5倍に拡大する計算だ。

 調査結果は「デジタルコンテンツ白書 2007」として公刊する。識者による漫画やアニメ、著作権などの動向解説や、市場調査結果を含む最新のデータなどを収めた。A4変型判280ページ、6000円。

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