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磁気で浮かべてリアルな触覚実現、米大学が開発

» 2008年03月05日 12時16分 公開
[ITmedia]

 米カーネギーメロン大学が、コンピュータの画面上の3Dイメージを触覚で操作できるインタフェースを開発した。

 たいていの触覚インタフェースはモーターや機械を連結させて触感やフォースフィードバックを作り出しているが、同校のラルフ・ホリス教授が開発した装置は、リニアモーターカーでも使われている磁気浮上と、単一の可動部品を使い、「今日、世界で最もリアルな触感」を実現するとしている。ユーザーは質感や強い接触、位置のわずかな変化も知覚できるという。

 この装置は、複雑な機械の連結やケーブル配線などはなく、磁界の上に浮かぶ単一の軽量の可動部品を使っている。「flotor」と呼ばれるボウル上のデバイスに、6本の電線コイルを埋め込んでおり、コイルを流れる電流が底面の永久磁石と反応してflotorが浮かび上がる。flotorにはジョイスティックのような操作ハンドルが付いている。

 ユーザーはこのハンドルを上下、左右、前後の6方向に動かしたり、回転させたりできる。光学センサーがflotorの位置と方向を検出して、それに合わせてコンピュータの画面上の3Dオブジェクトを動かす。オブジェクトがほかのバーチャルオブジェクトや表面に当たると、flotorのコイルに信号が送られて、ユーザーに触感がフィードバックされる。

 この装置は研究用に使えるレベルにまで進んでおり、6台がハーバード大学やスタンフォード大学などに提供される予定。「この装置は価格が手ごろで実用的」と語るホリス教授は、既にこのデバイスを作るための会社を立ち上げている。

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