ニワンゴとマイクロソフト(MS)は9月3日、Windows Live Messenger上で、「ニコニコ動画」の動画を共有できる「ニコニコメッセ」を始めた。動画をメッセンジャー画面の右側に表示し、コンタクトリストに登録した友人と一緒に見ながらコメントできる。
ニコニコ動画の動画ページ右上に「メッセする」ボタンを新設した。Windows Live Messengerにログインした状態でクリックするとコンタクトリストを表示。その動画を一緒に見たいユーザーを1人選び、相手がOKすると、メッセンジャー画面の右側で動画が再生され、ニコニコ動画で投稿されたコメントも流れる。相手側はニコニコ動画のIDは不要だ。
再生中にメッセンジャーに入力したコメントは、動画の上に重なって表示される。コメントはニコニコ動画には投稿されず、2人だけで楽しむ仕様で、「プライベートニコニコ動画を楽しめる」としている。3人以上での利用はできない。
「wwwwwww」などニコニコ動画らしいコメントや画像を、メッセンジャー画面に重ねて表示できる「チャーム」や、ニコニコ動画に登場するキャラクターを使ったプロフィール画像・絵文字の提供も始めた。
対応ブラウザはInternet Explorer 5.5以上、OSはWindows 2000/XP/Vista。Windows Live Messengerのほか、MSNメッセンジャー7.0以上も対応する。
「Windows Live Alerts」の機能を利用し、ニコニコ動画に関する情報を、PC画面右下にポップアップ表示する「ニコニコアラート」も公開した。ニコニコ動画のRSSを活用し、ランキング情報や新着公式動画、開発者ブログの新着記事などを配信する。
ニコニコメッセはWindows Live MessengerのAPIを利用した国内サービス第1弾。1カ月ほどで開発したという。
発端は、ニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏がWindows Live Messengerのヘビーユーザーだったこと。Windows Live Messengerの広告企画でMSがひろゆき氏にインタビューした際「ニコニコ動画と連携したら面白そう」と話していたことがきっかけだった。
MSがWindows Live Messengerユーザーに調査したところ、ニコニコ動画の利用率は、ほかの人気サイトの倍に上ったという。「メッセンジャーとニコニコ動画は親和性が高い」(MSコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部長の笹本裕氏)と判断して開発を決めた。
狙いはWindows Live Messenger、ニコニコ動画それぞれのユーザー数拡大だ。Windows Live Messengerの月間アクティブユーザーは国内で490万人、世界で3億人いるというが、さらに増やしたいという。ニコニコ動画は、動画サイトをヘビーに利用しない一般層にもユーザーを広げるのが課題。メッセンジャーを通じた口コミでユーザー層の拡大を狙う。
ニワンゴ親会社・ドワンゴ顧問の夏野剛さんは「私の課題であるニコ動の黒字化・一般化・国際化のうち、一般化に強烈なインパクトを持つツールだ。ニコニコ動画に子どもの動画を投稿し、Windows Live Messengerを使って親動画を共有するつもり。いずれはグローバル展開を目指したい」と話した。
発表会にオブザーバー参加していたひろゆき氏は「『ニコ動とメッセンジャーが連携すれば面白いと言ったのは思いつきだったから、本当にプロジェクトが進んでいてびっくりした。メッセージの受け手側はニコニコ動画のIDもいらないし、十分すぎる機能だと思う」と満足げだった。
ニコニコ動画をほかのメッセンジャーサービスと連携させたり、Windows Live Messengerをほかの動画サイトと連携させる予定は今のところないという。
発表会は「ニコニコ生放送」でもライブ配信。1万人近くが閲覧し、「すげー」「もう使えるの?」「この機能いるの?」「wwww」などとコメントしていた。夏野氏はコメントから質問をピックアップし、それぞれに答えた後、記者からの質問に答えていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR