インディーズ音楽配信サイト「mF247」(8月末で休止)の事業譲渡について、オークションで優先交渉権を得たクエイクとの交渉がまとまらず、破談になっていたことが分かった。クエイクの事業プランを、サイト運営元のに・よん・なな・ミュージック(247music)が却下したという。優先交渉権は、オークションで次点だった2ちゃんねる管理人・西村博之(ひろゆき)氏に移る(ひろゆき氏「がんばってみますー」 mf247の事業プラン策定へ)。
「我ながらいいプランだと思ったんだが……」――クエイクの加藤和宏社長は肩を落とす。
加藤社長のプランは、誰でも楽曲を配信できるスペースをmF247に新設するというもの。mF247は審査に通ったアーティストのみ配信できたが、審査不要のスペースも作って参加ミュージシャンを増やし、アクセスを増やす──という計画だった。プランは「ユーザーの理解も得たい」とクエイクのサイトでPDFで公開している。
加藤社長は「いけると思った」が、247musicはこのプランを却下。期限の9月10日までに交渉がまとまらなかった。247musicは、却下の理由は「公表できない」としている。加藤社長も聞いていないという。
mF247事業譲渡の優先交渉権は、8月末に「Yahoo!オークション」で競売。クエイクが次点のひろゆき氏と1000円差・1000万2000円で落札していた。
交渉がまとまらなかったため、247musicはクエイクに手数料を引いた落札額を返還。今後、ひろゆき氏がオークションの成立に同意して入金すれば、ひろゆき氏と交渉を始める。
「以前から音楽配信サイトをやりたいと思っていた。草の根クリエイターが作品を発表できる場を作りたい」――加藤社長は、オークションに参加した理由をこう話していた。
今後は、自前で音楽配信サイトを開設する考えだ。歌や作曲、演奏、初音ミクの“調教”など、得意分野が異なるクリエイターが出会い、協力して1つの作品を作り上げることが簡単にできる仕組みにしたいという。
「数年かかってもいいから、今日から挑戦していく。悔しいという気持ちが原動力になっている」と意気込む。
mF247とも良好な関係を続け「協力できることがあれば協力したい」という。
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