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携帯しながら横断する子供は車にひかれやすい――仮想現実実験で判明

» 2009年01月28日 07時32分 公開
[ITmedia]

 子供が携帯電話で話しながら道路を横断すると、事故に遭う確率が高くなる――米アラバマ大学バーミンガム校が1月26日、調査結果をまとめた。

 同校は実験のために仮想現実ソフトウェアを用い、仮想の道路上を走るさまざまな大きさの仮想自動車を、実際のバーミンガム周辺の横断歩道の映像と重ね、3面の巨大スクリーンに映し出して実験を行った。実験の結果、参加した児童全員が、携帯で話しながら仮想交差点を渡る時、危険な行動を取ったという。携帯を使った経験の有無や、子供の性格には無関係だった。

 携帯電話で通話していた場合、道路を渡り始めるまでに20%長く時間がかかり、43%の児童が仮想環境で車にぶつかったり、ひかれそうになったりした。また渡る前に左右を確認する回数が20%減り、近づいてくる車の前を安全に横断するための確認回数が8%少なかった。

 実験に参加したのは、10歳と11歳の児童77人。携帯電話を持たない状態で6回、面識のない実験助手と携帯電話で会話しながら6回、仮想交差点を渡るよう指示された。児童たちは安全が確認できたら渡るようにと言われ、スクリーンを見ながら路肩から道路へ踏み出すと、足元のパッドに設置されたスイッチがオンになり、どのタイミングで道路を渡り始めたかが記録された。

実験の様子

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